NHK福島県のニュース 福島放送局
学校給食“まるごと検査”開始
原発事故の影響から子どもたちを守るため、福島市は、学校給食1食分を毎日まるごと検査して放射性物質を測定する新たな取り組みを始めました。
「学校給食まるごと検査」と名付けられたこの取り組みは、福島市が新学期の給食が始まった9日から市立のすべての小中学校と特別支援学校、あわせて73校で始めました。
これまでは、1週間から2週間に1回、食材の種類ごとに検査していましたが、9日からは、毎日、給食施設で調理するおかずの材料など1食分をすべて調べます。
このうち市立庭坂小学校では、給食室で調理担当の職員が給食1食分の材料をとりわけてミキサーにかけました。
そしてミキサーにかけた材料は近くにある市役所の支所に運ばれ、簡易型の測定器にかけられました。放射性セシウムが20ベクレルを超えた場合にはおかずの提供をとりやめ、別の検査で安全性を確認するごはんと牛乳だけを提供します。
初日の9日はすべての学校で放射性物質は検出されず、検査結果は昼前に各学校に通知されました。庭坂小学校でも子どもたちが新学期最初の給食をおいしそうに食べていました。
庭坂小学校の山内雄和校長は「毎日検査することで保護者もより安心できると思います。検査したうえで保護者に情報提供していくことが大事です」と話していました。福島市では今後新たな検査機器を整備し、6月までに検査の基準を20ベクレルから10ベクレルに厳しくするとしています。
学校給食の放射性物質検査をめぐっては、県が国の財源で新年度から県内の希望する市町村を対象に、調理後の給食を丸ごと測定する事業を始めることにしていますが、この事業の対象は市町村ごとに一日1校にとどまっているうえまだ始まっていません。
このため、各市町村は独自に測定器を整備するなどして、給食の検査を始めています。
福島県内の13市のなかでは会津若松市を除く12の市すべてが、食材の一部や全部、または給食丸ごとの放射性物質検査を実施しています。
ただ、測定器や測定人員の確保などが実施する際の課題で、給食が子どもたちに提供される前に毎日、食材丸ごとを検査しているのは、福島市以外ではことし1月から給食の調理を給食センター1か所に集約した田村市だけです。
04月09日 19時30分
福島県のニュース
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