リン人気 MSGに中国語踊るか (1/3ページ)

2012.4.6 05:00

販売が好調なニューヨーク・ニックスのリン選手の背番号入り関連商品(ブルームバーグ)

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 米清涼飲料大手コカ・コーラが、ニューヨークの多目的イベント施設マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)のバスケットボール・コートの周りに設置されている回転式宣伝板に、中国語のメッセージを追加しようとしている。

 現在、同施設を本拠地とする米プロバスケットボール協会(NBA)のニューヨーク・ニックスでは、ポイントガードのジェレミー・リン選手(23)に世界の注目が集まっており、彼の人気を生かそうというわけだ。

 ◆大活躍で一躍スター

 リン選手はNBA初の中国系米国人の選手で、ハーバード大学出身だ。ドラフトでは指名されず、ニックス入団までに2チームに所属して解雇された。

 しかし2月6日、初めてニックスのスターティングメンバーとして出場した試合で大活躍し、世界的なスター選手となった。それ以来チケットの売り上げは急増し、本拠地で開催される試合を独占放送するMSGネットワークの視聴率も上昇している。

 リン選手の登場により、チームの親会社のマディソン・スクエア・ガーデン・カンパニーも勢いづいている。試合の中継番組の配信料をめぐるタイム・ワーナー・ケーブルとの紛争で和解したほか、MSGネットワークの広告料は2倍になり、株価は過去最高値を記録した。アジア系の企業からの提携の打診も急増している。

 MSGスポーツのスコット・オニール社長はインタビューで、「われわれにとってコートサイドの宣伝板は『営業中』を示すサインだ」と述べている。

 コカ・コーラ広報担当のスーザン・ストリブリング氏は電話インタビューで、MSG側から同社にアプローチがあり、その際に中国語の宣伝のアイデアを提示されたという。同氏は「弊社はNBAと世界的な付き合いがあり、NBAに関連して異文化間マーケティングを積極的に進めている。それらを踏まえて合意に達した」と説明した。

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