高級ヨット製造の伊フェレッティ、中国国有の山東重工濰柴に売却へ

１月10日（ブルームバーグ）：イタリアの高級ヨットメーカー、フェレッティ・グループが中国の国有企業、山東重工濰柴集団に売却されることが決まった。共産党国家である中国が、世界最大の高級ヨットメーカーの経営権を握ることになる。

フェレッティの債権団は、持ち分75％を山東重工濰柴集団に１億7800万ユーロ（約175億円）で売却する。中国山東省済南で記者団に10日、発表資料が配布された。英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ（ＲＢＳ）と米ストラテジック・バリュー・パートナーズがそれぞれ12.5％の持ち分を所有するという。

中国最大のブルドーザーメーカーを保有する山東重工濰柴は、その傘下に高級ヨット部門も置くことになる。フェレッティは2008年の金融危機後に販売が低迷し破綻間際に追い込まれたが、今後は中国での事業拡大を目指す。

上海の調査会社チャイナ・リサーチ・アンド・インテリジェンスの高級品担当アナリスト、リチャード・タイ氏は、「中国の超富裕層はヨットや自家用ジェット機に注目している。中国が過去30年間に達成した驚異的な経済発展の表れだ」と述べた。

資料によれば、売却後もフェレッティの経営陣は変わらない。本部と生産設備もイタリアに残る。フェレッティはまた、山東重工濰柴から債務を通じ１億9800万ユーロの資金を得るという。

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更新日時: 2012/01/11 11:42 JST