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'12/4/9

高速バスの路線変更に危機感




 2012年度の中国横断自動車道尾道松江線の延伸に伴い、広島と出雲、松江方面を結ぶ高速バスに、高速ルートを外れる島根県飯南町内から乗降できなくなる可能性が高まっている。町は「住民の移動手段が奪われる」と、バス会社に現行ルートでの運行継続を求めている。県も調査に乗り出し、支援策を探る。

 尾道松江線の吉田掛合インターチェンジ(IC、雲南市)―三次ジャンクション・IC(三次市、仮称)間48・7キロが12年度中に開通する予定。開通後、広島市と松江、出雲両市の間で高速バスを共同運行する一畑バス(松江市)と広島電鉄(広島市中区)、中国ジェイアールバス(同市南区)は飯南町などの国道54号から、同区間にルート変更する方針でいる。

 3社は現在、松江―広島間を1日14往復、出雲―広島間を同8往復している。特急を除く計14往復が町内の5停留所で乗降できる。昨年の町の調査で5停留所を1日平均35人が利用。町は「通院や買い物などで定期的に使っている」という。

 一畑バスの吉田伸司営業部長は、路線変更を「運行時間を短縮し、顧客ニーズに応えたい」と説明する。

 一方、山碕英樹町長は「中山間地域から都市部へのアクセス手段が大幅に減る」と危機感を募らせる。2月に3本社を訪れ、両路線を現行ルートのまま1日3往復ずつ残すよう要望書を提出した。

 県も、町内から高速バスに乗降できなくなった場合の代替手段を調査する予定。県交通対策課は「住民にどんな支援策が必要なのか、まずデータを集めたい」としている。

【写真説明】飯南町内を走る広島―松江間の高速バス。左は頓原停留所




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