24年度予算も、自民党他野党の反対で参議院否決なれど、両院協議会の末、衆院優先で可決成立。

その日、かねてから皆さんのお問い合わせ多かった、韓国「燃灯会」の無形文化遺産登録申請について、文化庁伝統文化課長に来ていただいて、現状、知る限りを説明していただきました。

 ユネスコの無形文化遺産保護条約は、2003年10月に採択され、日本は2004年6月に世界で3番目に締結し、2006年4月に条約が発効。今142カ国が加入しています。

 この条約の「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されることが、ユネスコ無形文化遺産になることであり、2009年9月から記載が始まり、世界で232件が記載済み。日本は、このうち20件と健闘しています。

 プロセスは、締約国、この場合日本や韓国が、ユネスコに毎年3月31日までに提案し、6カ国からなる政府間委員の補助組織により、翌年6月に一次審査されます。さらに秋に24カ国からなる政府間委員会で審査されて、決定。これが2年くらいかかる、と言われる所以。
 ちなみに、日本は、1年目に14件申請して13件が認められ、二年目には12件申請したが、2件のみ、3年あにはその中からさらに2件、と、現在までに20件が認められ、在庫が7件あるそうです。
 韓国については、各年の申請状況はわかりませんが、今までに37件の申請済み、登録未済、つまり在庫があるとのこと、それに今回、この燃燈会を加えると、在庫が38?
 このあたりも、さらに、正確に詳しい情報を求めました。

  3月30日付けの韓国中央日報に、「韓国文化財庁が、問題の「燃灯会」を人類文無形遺産に登録した」、と29日に明らかにした、との記事がでたそうで、文化庁から、韓国政府にさらに確認中ですが、おそらく申請はしたのであろう、ということです。たたし、同庁のHPには、まだ申請したことも、申請書も発表されていないようですが。

  よって、「エープリルフール」ではないようですが、一流メディアでも誤報がある国。さらに確認しますが蓋然性は高いと言えそうです。

 仮にそうだとすると、何が問題となるか。

 日本のねぶたは、東北、とくに青森で8月の1日から7日まで行われている飾り物行事。大型化したのは、江戸時代文政期。飾り物の中にろうそくなどを点灯させ、元来は盆をむかえるためのて灯篭であったことをうかがわせるとのこと。日本の文化財保護法において、昭和55年に、重要無形民族文化財に指定されています。
 ちなみに、日本では、ユネスコ遺産に申請するものは、この重要無形文化財になっているもののなかから、古い順に選んでいるそうで、青森ねぶたも、そのうち申請される流れにはあるのですが、まだ順番は先、だそうです。
 青森の観光コンベンションビューローの林事務局長、おととし青森でお会いしているのですが、今日、課長に説明を聞きながら、直接電話で情報交換しました。
 青森にも、心配する皆さんからたくさんの問い合わせがきていて、まず今いらっしゃるねぶた師全員に、「韓国に技術移転したか」を聞いたところ、直接作り方を教えに行ったと答えた方はいなかったそうです。
 2005年の日韓国交回復40周年、青森ソウル定期便就航記念にねぶたのお祭りを韓国にもってはいったそうですが、この時はお囃子と踊り方の講習をしただけで作り方は教えてないそうです。

 韓国の燃灯会は、朝鮮の高麗時代に盛行した春季の行事で仏に灯火をささげ、音楽と踊りでたのしみ、国家の太平を祈るものだそうです。高麗末期からは4月8日の釈迦の誕生日に行うようになり、民衆の燃灯会が民俗化し、現在にいたる、以上世界大百科事典からの抜粋が、文化庁においても現状唯一の知識でした。
  
 青森市も、文化庁も、申請内容を見極める必要がある、としていますが、それはもっともなこと。
 もともとの祭りの成り立ちは明らかに違い、以下のわかりにくい、あいまいな基準をみたす材料が、二つの祭りのとても良く似ている点「張子状の中に明かりが入っている大型の飾りもののパレード」、である場合、それが「売り物」である場合、本家争い、が生じうるということです。

 ユネスコ無形文化遺産保護条約 第2条 定義
 無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識、及び技術、ならびにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう。この無形文化遺産は、世代から世代へと伝承され、社会及び集団が自己の環境、自然との相互作用及び歴史に対応して絶えず再現、かつ、当該社会及び集団に同一性及び継続性の認識を与えることにより、文化の多様性及び人類の創造性に対する尊重を助長するものである。(以下 略)

 青森市によると、韓国の燃灯会が、青森ねぶた的なパレードを行うようになったのは、この15年のこと、わりと最近だそうです。対する青森ねぶたのパレードは戦後からだそうで、かなり先行。ねぶたの作り方は、直接ねぶた師が教えなくても、HPで公開されているので、誰でも、参考にすることは可能とのことです。
 「仮に、似ている部分を要素としてユネスコ条約の定義を満たそうと言う内容の、申請書ならば、来年3月31日にまでに、青森ねぶたも申請登録すべきではないか。たとえ、他に文化財保護法上の重要無形文化財になったのが、ねぶたの55年より古い「順番待ちのお祭り」が何件もあっても、それらの順番待ち組みが、今回のような他国との本家争いの問題がないならば、国家として、どちらを優先すべきかは、明白です。
青森市も、そうしていただけるなら、ありがたいとのことでした。
 文化庁にも本件を至急検討するように、(もちろん事実確認を前提に)、要請しました。
 その足で、八戸ではありますが青森県選出の、わが党大島副総裁に以上を報告、副総裁も、
 「韓国とは、かつて青森りんごの件でもめたことがあった。似ている部分をむこうが元祖、として登録されてはかなわんので、この県は知事にも認識もってもらおう」ということになりました。

 皆さんも、特に韓国の情報に精通されているかた、このお祭りに詳しいかた、追加情報をお寄せください。
 無用な摩擦はいりませんが、昨日前文部科学副大臣の鈴木寛氏とも会合で一緒だったので話したのですが、漢方薬類似のものも、日中韓で本家争いがあるそうですので、日本の文化を守り、その価値を正しく認識させるために、今までのようなお人よし路線では、だめですね。