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'12/4/7

おしい!広島県…動画1位に


 「おしい!広島県」をスローガンにした広島県の新たな観光キャンペーンが始まった。食や景観など多くの魅力があるのに県外での認知度はいまひとつという現状を逆手に取った「自虐戦略」と、同県熊野町出身のタレント有吉弘行さん(37)が観光大使を務めるプロモーション動画が話題を呼ぶ。狙い通り「おしい」を「おいしい」に変えることができるか。

 動画を見ることができる専用サイトの閲覧数は、3月27日の開設から今月4日までの9日間で88万5千件。県観光ホームページの月間アクセス数(86万件)を上回った。動画は公開翌日の3月28日、検索大手ヤフーの動画ランキングで閲覧数1位に。湯崎英彦知事は「つかみでは、いい話題づくりができた」と満足げだ。

 約4分30秒の動画は、有吉さんが新スローガンを発表した途端、記者にもみくちゃにされるシーンで始まり、最後は「『おしい』は『おいしい』の一歩手前だ」との真意が受け入れられるというストーリーだ。

 県は動画の制作に1千万円を投じた。県出身有名人も出演し、エキストラとして約650人の県民も協力。外国の報道官役を務めた飲食会社社長の李基勇さん(53)=広島市安佐南区=は「多くの人に見てほしい」と願う。

 新スローガンについて受け止めはさまざまだ。中区の洋服店経営福間瑞江さん(54)は「面白い仕掛け」と歓迎。中区の文房具店経営渡辺愛子さん(63)は「ほかの言い方もあるのでは」と話す。

 ネット上では動画を見て「今後の展開にワクワクする」「広島に行きたくなった」と好意的な受け止めがある一方、「ビミョー」「印象が悪くなる」との書き込みもある。

 「生産量日本一なのに知られていない広島レモン」「世界で先に評価された熊野化粧筆」「日本三大銘醸地と称されるのに『どこ』と言われる西条」…。専用サイトには「おしい」ものが並ぶ。「いいものがいっぱいあるのに、あまり知られていない」(有吉さん)状況をギャグにすることで認知度を押し上げる狙いだ。

 キャンペーンは1年間続く。広島県はイベントや観光宣伝で「おしい」をフル活用、第2弾の動画も制作する方針だ。




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