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花見のシーズン真っ盛り。桜の名所には多くの花見客が詰めかけているが、マナーをめぐるトラブルが後を絶たないことから、ちょっと無粋な決まりごとを設ける名所が増えている。多少の無礼講は大目に見られてきた花見も「折り目正しく」の時代なのか――。
「持ち物検査にご協力ください」。6日にソメイヨシノが満開となった新宿御苑(東京都新宿区)の入場門に近づくと、来場者はそう呼びかけられる。
待ち受けるのは警備員6人。列に並んだ人のかばんを次々と開け、缶ビールなど酒類が入っていないことを確認していく。
約65種、約1300本の桜が楽しめる名所は、明治時代は皇室の庭園だった。1949年に国民公園として一般開放されてから約60年、子どもが芝の上で遊べる貴重な環境を守るため、園内での飲酒を禁止してきた。もっとも、これまでは、あからさまに酒をあおる人がいたときに警備員が注意をする程度だった。
ところが、花見の季節になると、毎日のように酔客がケンカをし、5、6人が急性アルコール中毒で救急搬送される日も。「客のモラルに期待し続けた」(御苑管理事務所)が、持ち込み禁止を徹底しようと、昨年春から検査を始めた。