大邱と釜山も財政破綻の危機

 仁川広域市では公務員に支払う手当が一時支給不能状態に陥ったが、釜山広域市と大邱広域市の財政状況も、仁川と同様に危機的状況にあることが分かった。また、蔚山広域市と光州広域市も決して安心できない状況だ。

 行政安全部(省に相当)が4日に明らかにしたところによると、地方自治体が抱える借金の規模を示す「予算に対する債務比率(2011年集計分)」は、大邱が37.73%、仁川36.44%、釜山32.74%だった。行政安全部はこの指標が25%を上回ると「注意」、40%を上回ると「危機」に分類している。この「危機」段階になると交付税の削減など不利益も与えられる。また蔚山は24.62%、光州も23.92%で、いずれも「注意」段階に近い状態だ。さらに釜山、大邱、仁川は地方債の発行残高もすでに3兆ウォン(約2200億円)近くにまで膨らんでいる。ただし釜山は「債務比率」が2010年の35%から昨年は33%、大邱も同じく39%から38%へとやや低下した。もちろんそれでも危険な水準にあることに変わりはない。

 とりわけ支出額に占める市独自の収入の割合を示す財政自立度は、釜山は03年の72%から昨年は52%、大邱は74%から49%へと急速に低下しており、財政への危機感を高める大きな要因になっている。

 このような状況は不動産景気の下落などで税収が減少している上に、バラマキ事業による支出の拡大や、さらに福祉関連など一層の財政投入が必要な分野が増加していることなどが原因とされている。公務員への手当の支払いが一時的とはいえ滞ってしまった仁川のような広域市や道が、今後も続々と出てくる恐れがあるのだ。

 専門家は財政危機に陥った広域市や道について、不要不急の展示型事業などで屋台骨が揺らいでいる上に、基礎自治体も税収の規模が小さいところほど巨額の福祉関連予算が必要になるなど、もともと財政が苦しい自治体ほど一層危機に陥りやすいと警告している。ソウル科学技術大学行政学科のキム・ジェフン教授は「地方自治体によるバラマキ事業の乱発を防ぐには、地方財政に大きく影響する大型事業について住民投票を義務化すべき、などといった声も学会では出ている」と述べた。

金成謨(キム・ソンモ)記者
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