財政破綻の仁川市で給与遅配

4月の手当一日遅れで支給、自治体で初の事態

負債3兆ウォン・負債比率は39.8%

 3月30日、仁川市の通帳には残高が532億ウォン(約39億円)あった。週末の31日と4月1日に都市鉄道2号線建設地方債などの負債元本・利息として502億ウォン(約36億9000万円)が引き落とされ、2日の残高はたった30億ウォン(約2億2000万円)となった。この日は、市職員6000人に毎月支給される福利厚生費(給食費・役職手当・特別業務費)20億ウォン(約1億4700万円)を支給する日だった。このため、市は「ほかの支出で予算が完全に枯渇しないよう、福利厚生費の支払いを一日遅らせた」と市職員に通知した。財政難に苦しむ仁川市では、職員に対し事実上の給与である公務員手当を支給すべき日に支給できないという、初めての事態に陥った。2日午後にたばこ税150億ウォン(約1億1000万円)が入ってくるため、福利厚生費が支給できるのは3日ということになる。

 今年末までの仁川市の負債は3兆1842億ウォン(約2339億円)=予想値=で、予算7兆9983億ウォン(約5874億円)に対する負債比率は39.8%に達する見込みだ。この比率が40%を超えると「財政危機自治体」に指定されて予算自主権を失い、政府の監督を受ける可能性が高くなる。仁川市の負債比率は2007年の26.9%から10年には37.1%へと3年間で大幅に増えた。同市は5000億ウォン(約367億円)かかる14年アジア大会メーンスタジアム新築を決定、都市鉄道建設の工期もこれに合わせて早めたため、財政破綻を招いたと批判されている。仁川経済正義実戦市民連合のキム・ソンウォン事務局長は「仁川市の財政は事実上『倒産』したも同じ」と語った。

仁川= イ・ドゥ記者
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