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最終更新:2012年4月6日(金) 20時31分

東電会長人事、なぜ難航?

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 実質的な国有化に向け、動き出した東京電力ですが、国などの支援の前提となる「総合特別事業計画」がまとまらず、綱渡りの経営が続きます。最大の原因は、決まらない勝俣会長の後任人事。名だたる財界の有力者が次々と浮上しては消えていて、こうした事態に政治の責任を問う声も出始めています。

 6日朝、記者の質問に「この場では応じられない」とだけ答え、自宅を出た東京電力の勝俣恒久会長。この勝俣会長の後任が一向に決まらず、異例の事態が続いています。

 「私自身も責任は当然ある。3月に提出する総合特別事業計画の中で(責任を)明らかにしたい」(東京電力 勝俣恒久 会長、2月15日)

 東電の支援の前提となる「総合特別事業計画」。その計画を実行する会長が決まらなければ、事業計画そのものが意味を持たないからです。

 「人事が未定のまま総合計画を策定しても(枝野大臣の)認定が頂けない」(原子力損害賠償支援機構 運営委員会 下河辺和彦 委員長、3月29日)

 勝俣会長の後任には、早い段階から、JR東海の葛西会長やトヨタの奥田元会長、それに、新日鉄の三村会長ら財界の大物の名前が取りざたされました。

 「これは大変な役職。なまはんかな覚悟で引き受けられる話ではない」(新日鉄 三村明夫 会長、3月7日)

 さらには、省庁の大物OBから現職の国会議員の名前まで浮上しては消えています。なぜ、ここまで決まらないのでしょうか。

 「一般大衆に商品を売っている会社が、ああいう会社の会長になるのは非常にまずい」(トヨタ 奥田 碩 元会長)

 さらに、次のように政府の責任を指摘する声もあります。

 「電力会社の会長は平時でさえ大変なのに、政府が東電を悪者にしすぎた」(金融関係者)

 先月上旬、都内のホテル。枝野大臣と古川g?C!"$=$l$KL1
 「自分が議員やめて、やるしかないか」(民主党 仙谷由人氏)

 「どなたかに打診であれ、一人しかしていない」(枝野幸男 経産相、4月3日)

 今週、枝野大臣は記者団から会長の後任候補に軒並み断られているのか問われ、こう反論しましたが、枝野氏の心境について関係者はこう指摘します。

 「打診された側に3番目4番目の候補かと思われたら、よくないからでしょう。相手への配慮でしょうね」(関係者)

 綱渡りの経営状態が続く東京電力。首都圏の電力供給を支える東電の会長が決まらないという異例の事態に、政治の責任を問う声も出始めています。(06日16:05)

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