パキスタン 日本人77人が足止め4月6日 21時2分
パキスタン北部を訪れている日本人観光客70人以上が、現地の治安の悪化で足止めになっていることが分かり、日本政府は、6日、パキスタン政府に対して、軍の輸送機を派遣して、日本人を安全な場所に移動させるよう要請しました。
パキスタン北部の都市、ギルギットでは、イスラム教の宗派間の対立が激化し、治安が急速に悪化したため、今月3日から外出禁止令が出され、北部の窓口になっているギルギットの空港では、飛行機が飛ばず、事実上閉鎖されている状況です。
パキスタンの日本大使館によりますと、ギルギットや観光地のフンザなど、北部には日本人観光客、少なくとも77人がいますが、陸路も危険なため、首都のイスラマバードに戻ることができず、足止めになっているということです。
このため、日本大使館は6日、パキスタン政府に対して、軍の輸送機を派遣して、日本人を安全な場所に移動させるよう要請しました。
日本大使館によりますと、77人のうち60人余りはギルギットからおよそ50キロ離れたフンザにいて、治安上問題はなく、外出もしていますが、およそ10人はギルギット市内のホテルで外出できない状況だということです。
パキスタン北部は、カラコルム山脈の7000メートル級の山々が連なる景勝地として知られ、特に気候が暖かくなる4月、5月は、多くの外国人観光客が訪れるシーズンです。
しかし、パキスタン北部では、ことし2月、ギルギットに向かっていた長距離バスが、銃を持った男たちに襲われ、パキスタンで少数派のイスラム教シーア派の乗客18人が殺害される事件があるなど、宗派対立が高まっています。
パキスタンのツアーを手配している、東京・中央区の日本橋トラベラーズクラブは、「フンザで、あんずの花を見に行くツアーに参加した人の中に、影響を受けている人がいる。ツアー客はホテルに待機していて、体調を崩したという人などは出ていない。現地の詳細や、空港の運航状況などの情報を確認している」と話しています。
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