デバイスドライバを正しくインストールするには

以前に掲載していた、トラブルシューティングを一休みしていましたが、
いろいろなトラブルシューティングに関する問合せを頂いていますので、
トラブルシューティングPART IIとして再開します。

グラフィックスカード、サウンドカード、LANカードなどをPCにインストールしたとき、これらが正しく動作しないトラブルに見舞われることがしばしばあります。このようなときどうすればいいのかを議論します。

グラフィックスカードが正しく画面表示をしない、音が出ない、ネットワークに接続できないなどの症状が見られるときは、Windows95/98/2000ではデバイスマネージャをチェックします。次の図は、Windows98 SEで、PCIグラフィックスカードのデバイスドライバをインストールに失敗したときのデバイスマネージャ画面です。このPCには、主VGAとしてDiamond Stealth III S540 (S3 Savage4 AGP 4x)がインストールされていますが、2nd VGA用に3Dfx Banshee PCIグラフィックスカードをインストールし、そのデバイスドライバのインストールに失敗しています。このデバイスマネージャ画面は、グラフィックスカードは物理的には正しくインストールされているが、デバイスドライバが正しくインストールされていないことを示しています。

今回は、3Dfx Banshee チップPCIカードと、Windows98 SE/2000 Proを例に、議論を進めます。他のカードやOSについても、ここでの議論は役立つものと思います。Windows98 SE/2000 Proともに内蔵デバイスドライバの数は、以前のバージョンに比べて格段に増え、よく名前の知れたデバイスは、これらのOSインストールと同時にそのドライバがセットアップされます。これは、良いことなのですが、内蔵デバイスドライバにはマイクロソフトの署名があり(そのデバイスドライバのベンダーはマイクロソフトとなっている)、そのデバイスの最新ドライバをカード/チップメーカーのサイトからダウンロードして、更新しようとすると”このドライバには、マイクロソフトの署名がないので正しく動作する保証がありません。それでもインストールしますか”と脅迫されます。しかし、これに屈することはありません。よほど程度の悪いプレリリーズ(ベータ版)ドライバでない限り、インストールしようとしているOSをドライバがサポートしていれば、問題なく動作します。

下の画面で、Banshee のドライバの代わりに標準VGAドライバをインストールしてしまったときは、このデバイスは”その他のデバイス”でなくディスプレイアダプタとして”標準のVGAアダプタ”とリストされますが、正しく動作しません。!マークがつきます。

下の画面は、同様の事態が起きているWindows 2000のデバイスマネージャ画面です。Windows NTの後継であるWindows 2000はいろいろな面で機能強化されていますが、NTと最も違うのはPlug and Play機能がサポートされたことです。これにより2000はNTに比べて格段に扱いやすくなっています。
後述のように、3Dfx BansheeはWindows 2000の内蔵デバイスドライバで完全にサポートされますので、この例では、Windows 2000が正しくドライバをインストールできないS3 Trio 64V+をあえて選んであります。Windows 2000は、このチップのデバイスドライバを内蔵していますが、どういうわけかこのデバイスをS3 Trio 32/64として、認識します。

上の2つの図に示すように、何らかの形でデバイスマネージャにリストされているときは、PCが、動作しないデバイスをハードウェアとしては正しく認識していることを示します。ハードウェアが認識されないとき、またはそのハードウェアが動作していないときは、デバイスマネージャにリストされません。仮に、新しいハードウェアを搭載しても正しく動作しないとき、そのデバイスがデバイスマネージャにリストされていないならば、ハードウェアが壊れているか、そのデバイスを動作させるためのリソースがまったくないか、あるいは搭載方法に問題があります。
カードの搭載状況をもう一度念入りにチェックして、正しくインストールされていることを確認してください。

新しく搭載したカードが、デバイスマネージャにリストされたら次に進みます。正しく動作していないデバイスの行を右クリックすると、次の画面に示すポップアップメニューが現れます。この中で「プロパティ(R)」をクリックします。

次の画面が表示されます。ドライバタブを選択します。

「ドライバの更新」ボタンをクリックすると、次の「デバイスドライバの更新ウィザード」が起動します。

「次へ」をクリックしてインストールを進めます。次の画面が表示されます。

「特定の場所にあるドライバの一覧を作成し、インストールするドライバを選択する」のボタンをクリックして次に進みます。

今回の例では、デバイスの種類として「ディスプレイアダプタ」をクリックして選択します。この選択は、インストールしたカードの種類にしたがって正しく行わなければなりません。次に進みます。

既存、またはOS内蔵のドライバはリストの中に表示されます。該当するドライバがあればそれを選択しますが、ハードウェアメーカーが提供するドライバを使用したいとき、または更新されたドライバをダウンロードなどにより入手したときには「ディスク使用(H)」ボタンをクリックして、次に進みます。

「ドライブ(V)]でドライバのあるドライブを選択し、「フォルダ(F)」でインストールしたいドライバのあるフォルダを選択します。目的のドライバの.infファイルを確認してください。ドライバディスクの構成により、ここには色々な.infファイルが表示されます。上の例では、それぞれ3dbbw9x.infはBanshee チップドライバ(Windows95b/95c/98用)、glide.infは3Dfx特有のGlideエンジンドラバ、upddrv95.infはWindows95/95a用更新ドライバ、vgatd.infはGARTドライバの.infファイルです。この例では、3dbbw9x.infをクリックして選択し、次に進みます。
画面の指示に従って、作業を進めるとドライバのインストールは完了します。最後に、Windowsを再起動するように求められます。再起動後、デバイスマネージャをチェックすると、下の図のようにこのデバイスドライバが正しくインストールされていることがわかります。

Windows 2000のPlug and Play機能は強力で、セットアップ時に「すべてをコピーする」オプションを選択してある場合には、Plug and Playデバイスのドライバが正しくインストールされると、その時点でそのデバイスが使用可能になります。デバイスまたはドライバに何らかの問題があるときは、ドライバのインストール完了後、次のダイアログが表示されます。

今回の例では、S3 Trio 64V+を搭載したときこのダイアログが表示され、再起動後のデバイスマネージャは、このページの最初に示したように、このデバイスが正常に動作しないことを示しました。
ちなみに、この問題はデバイスドライバをTrio 32/64からTrio 64V+の変更して解決しました。

Windows 2000で気をつけなければならないことは、現存するすべてのメーカーが提供するデバイスのドライバがこれに対応しているわけではないことです。この問題は、いずれ解決するでしょう。

Windows 2000はデバイスドライバが正常にインストールされると、システムを再起動することなく、次に示すように、新しく搭載したデバイスを正しく認識します。この場合、もちろん3Dfx Bansheeグラフィックスカードは、2nd VGAとして動作しています。

以上のように、どんなデバイスドライバでも、そのOSをサポートしていれば、そして手順を間違えなければ、比較的簡単にインストールできます。

リテール版のWindows95/95aによく見られる症状で、新しいデバイスを追加したとき、どうしてもドライバを正しくインストールできないときは、OSをセーフモードで起動します。デバイスマネージャを開くと、下の図に示すように、今までにこのOSにインストールされているデバイスがすべて表示されます(これはBansheeを搭載する前に採ったもので、これはリストされていません)。現在トラブルを起こしているカテゴリーにリストされているすべてのデバイスを削除してください。改めてノーマルモードで起動すると、Windowsは現在いインストールされいるデバイスを検出します。上に述べた手順に従って適切なドライバをインストールすると、そのデバイスが正常に動作するようになります。

この場合、Windows95は非Plug and Playデバイスを検出しません。コントロールの”ハードウェアの追加”から、これらのデバイスドライバをインストールしなければなりません。
Windows98/2000は非Plug and Playデバイスも検出しますが、ドライバが正しくインストールされるとは限りません。

このページを参考にトラブルシューティングを試みてください。


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