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【社会】

給食にセシウム汚染シイタケ 岡崎の幼稚園

2012年4月5日 23時26分

 愛知県豊橋市保健所は5日、改定前の国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)の2・8倍に当たる1400ベクレルの放射性セシウムを検出した茨城県産干しシイタケが、愛知県岡崎市内の幼稚園の給食に使われたほか、豊橋市の店頭で販売されたと発表した。

 シイタケは豊橋市の業者が昨年12月、埼玉県の市場を通じて茨城県から入荷。その後、500グラム入りの60袋に加工された。

 豊橋市の乾物販売業「丸文岩瀬商店」が1月6日から3月1日にかけ、60袋を仕入れ、4月5日までに54袋を店頭で販売した。6袋は別の業者を経由し、岡崎市の幼稚園に流通。園は1キロ分を自主検査のため調査機関に出し、2キロ分を3月21日、給食のうどんの具として調理し、園児と職員計528人が食べた。その後、検査結果が出てセシウムの規制値超えが分かった。

 園長は取材に「自主検査をしていなかったら分からなかったと思うとショックだ。園児や保護者に申し訳ない」と話した。

 保健所は丸文岩瀬商店に在庫分の販売自粛を求め、干しシイタケを購入した消費者の相談を受け付ける。生産地では放射線の検査をしているが、なぜ検査をすり抜けたかは調査中という。担当者は「1400ベクレルの干しシイタケを1キロ食べても、放射線量は胃のエックス線検診1回分の30分の1ほど。人体への影響はごくわずか」と話している。

 ◆新基準でも実質2.5倍に

 シイタケは乾燥させると軽くなり、放射性セシウムが含まれていた場合、その分1キログラム当たりの数値が高く出る。

 厚生労働省は食品の新基準値の4月1日施行に合わせ検査ルールを策定。乾燥前の生の状態と、実際に口に入る時と同じ乾燥品を水戻しした状態の両方を検査し、一般食品(1キログラム当たり100ベクレル)の数値を適用するとした。

 ただ、検査のたびに水戻しするのは手間がかかるため、実際には乾燥した状態で検査することを容認。水戻し後には重さがおおむね5・7倍になるとして、その際の「基準値」は1キログラム当たり570ベクレルとすることを求めている。

 これをそのまま当てはめれば、愛知県内で流通した茨城県産干しシイタケの1キログラム当たり1400ベクレルは、水戻し後は250ベクレルほどになり、新基準値の2・5倍の計算となる。

(中日新聞)

 

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