その効果は、今シーズンの点数にしっかり現れた。今大会フリーの演技構成点は、チャンが90.14、高橋は85.78で4.36点差。昨年の世界選手権ではチャンが91.52、高橋が82.08と9.44点差だったことから考えれば、3回転ジャンプ1本ぶんの点数を追いついたことになる。
■「宿題をたくさんもらった」と長光コーチ
長光歌子コーチは「私たちはソチまでの3年計画。まだパトリックに比べると、スピードなど足りない部分がたくさんあるし、宿題をたくさんもらった。今回優勝しなかったのも良かったと思う」といい、これから2年で伸ばすべき課題を手に入れた。
また、男子3位と健闘した羽生は、フリーの技術面ではチャンを上回る91.99をマークした。「だいぶ感覚がつかめたので、来年は4回転サルコウも入れたい」といい、ジャンプ技術の伸び盛りの時期だ。
しかしジャンプだけに頼る作戦ではない。羽生も11年秋にロシアのアイスダンスのコーチのもとで、上半身の演技力と下半身の滑りを一体化させるための、滑りを生かした演技指導を受けた。「ジャンプを失敗しても演技構成点が出るようになった」と羽生は話す。
男子も女子も、スケーティングを磨いて演技構成点を伸ばし、スピードを出してジャンプの「質」を高める――。今大会は、その時代の流れがはっきりと色濃く現れた。
ソチ五輪まで2年。フィギュアスケートでいま求められる演技を見極めながら成長することが、選手たちに必要となる。
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