■「普通なら回避」だったが…
「メダルを狙うことよりも、ずっと練習してきたので(トリプルアクセルを)やりました」と浅田は唇をかんだ。
佐藤コーチは「彼女がこだわっているものを取り上げてしまうと、気持ちが下がってしまう。今回、(決断は)最初から彼女に任せていましたが、普通なら回避と考えるものだった」と説明した。
今回、浅田のさらなるマイナスポイントは、スピードがこれまでよりも落ちていたこと。昨年11月のNHK杯のフリーでは、トリプルアクセルを回避して滑りの良さと総合力で見せる作戦をとり、スケーティング技術で8.11など高得点をマーク、演技構成点は64.57を獲得していた。
世界選手権ではスケーティング技術が7.64で、演技構成点は60.02。ジャンプのミスだけではなく、滑り自体の評価で好調時よりも4点以上失っていた。
■コストナー、総合点で勝てる選手に
女子で優勝したのは25歳のコストナー。スピードと伸びがあり、他の選手とはまったく次元が違うといっていいスケーティングに加え、ジャンプもスピードのある助走から踏み切って雄大な弧を描き、流れるように着氷する。フリーは128.94点、総合189.94点で、世界選手権10度目の挑戦にして悲願の頂点に立った。
コストナーは簡単にこのポジションを手にしたわけではない。スケーティングの質はもともと高い方だったが、精神的な弱さからジャンプのミスが多く、09年の世界選手権は12位。スケーティングを大切にするドイツの練習場を離れ、09年にジャンプ技術に定評がある米国のコーチのもとに移った。
ジャンプを強化して3回転ルッツなど難度の高いジャンプ中心の戦略に変えたが、かえってミスが増えて10年バンクーバー五輪は16位。再びドイツに戻ると、3回転ジャンプは3種類だけに絞って質を高め、スケーティングや演技を磨くことに専念した。
結果としてコストナーはジャンプを1つや2つミスしても演技構成点が常に高く、「総合点で勝てる選手」へと完全に変身を遂げたのだ。
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