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学級崩壊まねく「小1プロブレム」に保護者は… 子供の「できる」を認める

産経新聞 4月6日(金)11時18分配信

 小学校の新入学児童が、授業中に立ち歩く、教師の話を聞かない、自分勝手な行動をする…。そんな「小1プロブレム」が発生すると、学級崩壊の状況が生まれてしまう。東京都教育委員会が行った平成22年度の調査では、都内の小学校の校長の18・2%が「発生した」と回答、決して特異なことではないことが明らかになっている。保護者はどう対処すればいいのか。

 ◆適応できない

 東京都教委の調査によると、小1プロブレムが発生した時期は4月が71・8%で最も多かった。発生した学校では、調査時点(平成22年11月)でも56・7%が「収まっていない」と回答。容易に解決できない問題であることが浮き彫りになった。

 なぜ、小1で問題化するのか。東京学芸大学の大伴潔教授は「幼稚園や保育園は緩やかな集団。これに対し、小学校は席が決まっていたり、授業時間中は着席していることが求められたりと、生活のルールが大きく変わり、子供がそれに適応できないから」と説明する。

 小1プロブレムの背景にあるものとして、自分の感情や行動をコントロールしにくい子供の増加▽子供の生活の夜型化に伴う日中のイライラ感▽保護者の生活困窮▽地域社会の崩壊でマナーやルールを学ぶ機会の減少−などが挙げられる。

 大伴教授は「小学校に入学する際に乗り越えるべき段差は昔からあった。今、小1プロブレムが起きているのは、子供だけ、学校だけ、保護者だけが原因ではない。社会全体の価値観の変化がもたらした現象で、多くの要素が絡み合っている」と説明する。

 ◆親も覚悟を

 要素の一つとして、保護者の高学歴化や価値観の多様化に伴う保護者と教師との関係の変化がある。相対的に教師の権威は低下しており、保護者が家庭で学校を軽視する発言をすると、子供の意識に悪影響を与えることがあるという。

 自分の子供が授業中に立ち歩いたりしないようにするにはどう育てればいいのか。大伴教授は「子供の精神面の安定を保障したり、生活を夜型から朝型にしたりすることも重要。そのためには、親の生活スタイルを変えるという覚悟が必要だ」と指摘する。

 勉強への意欲を高めさせるのも有効だ。しかし、単純に褒めても効果は期待できない。子供のできない点を言いつのるのは逆効果で、「子供ができるところを認めることが大切。きょうだいや同級生と比較され、やる気になる子供はいないということを忘れないでほしい」とアドバイスしている。(櫛田寿宏)

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最終更新:4月6日(金)11時18分

産経新聞

 

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