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猛烈な風、通勤の足直撃 停電・倒木、ダイヤに乱れ

強い風の影響で宮城県内の在来線が全て運転を見合わせ、閑散とするJR仙台駅構内=4日午前8時40分ごろ

 猛烈に発達した低気圧は4日、東北地方を直撃し、各地で暴風が爪痕を残した。宮城県内では民家の屋根が飛ばされたり、樹木が倒れたりする被害が相次いだ。JR各線をはじめとする交通機関も大幅に乱れ、朝の通勤通学時間を直撃した。東日本大震災の被災地でも猛烈な風が吹き荒れ、前日夜から不安な時間が続いた。

<交通機関>
 鉄道や空の便はダイヤが大幅に乱れ、利用客に影響が出た。
 JR東日本仙台支社によると、東北新幹線は4日午前6時20分ごろ、岩手県内で停電が発生し、仙台−新青森間で上下線とも一時運転を見合わせた。午前11時現在、東京−新青森間を含め上下19本が運休。午前11時すぎには白石蔵王−仙台間で倒木が見つかり、下り線で運転を見合わせた。
 山形新幹線は午前11時現在で上下16本、秋田新幹線も上下15本の運休を決めた。
 宮城県内の在来線は全線で、始発から午前中の運転を見合わせた。
 JR仙台駅は4日午前、駅員に代替交通を聞いたり、掲示板を不安そうに見詰めたりする通勤客や家族連れであふれた。
 新幹線中央口では、駅員10人以上が対応に追われた。仙台市太白区の会社員永井和浩さん(26)は、9日に転勤するさいたま市で住居を探す予定。「物件を探せる期間が2日しかないので、何とか今日中に大宮に着きたい」と話した。
 孫の入学式で3日に仙台市に来た兵庫県川西市の無職横地昭夫さん(78)は「大阪行きの飛行機が飛ばないというので仙台駅に来た。新幹線の切符が取れなければもう1泊するしかない」とため息混じりに話した。
 国土交通省仙台空港事務所によると、仙台空港では3日の悪天候による機材繰りの影響で、4日午前の大阪(伊丹)線1往復と札幌行き1便が欠航した。

<道路>
 宮城県内の国道などは倒木などにより、各地で通行止めが相次いだ。
 4日午前7時ごろ、宮城県松島、利府両町境の国道45号で、道路脇のがけで木が倒れているのを巡回中の仙台河川国道事務所の職員が発見。撤去作業のため、午前10時半まで全面通行止めとなり、渋滞が発生した。
 県道路課によると、木や電柱が倒れるなどして国道108号、蔵王町の国道457号と接続する蔵王エコーラインが全面通行止め。登米市の国道342号は片側交互通行となっている。

<停電>
 東北電力によると、強風で電線が切れるなどし、4日午前10時現在、東北6県で14万9263戸が停電している。県別で最も停電戸数が多いのは秋田県の9万8160戸。宮城県内では仙台、名取、石巻各市など9451戸で停電が続いた。
 復旧済みも含めると、3日からの停電戸数は東北6県で最大30万9505戸に上っている。

<通信>
 NTTドコモによると、4日午前3時ごろ、東北6県と新潟県の一部で携帯電話の通話とパケット通信が利用しづらくなった。強風による停電と通信回線の故障が原因で、正午現在も解消されていない。
 ソフトバンクモバイルも3日午後11時半ごろから、KDDI(au)も4日午前0時ごろから、ともに秋田県の一部地域で通信障害が続いている。

<大学入学式>
 4日に入学式を開いた大学は、開始時間を繰り下げる対応に追われた。東北学院大は、開始を午前10時半から午後3時に変更して仙台市体育館(太白区)で開催。宮城教育大は、午後1時開始を午後3時に延ばして仙台国際センター(青葉区)で開いた。
 宮城大は当初の予定通り、午後1時半から大和キャンパス(宮城県大和町)で入学式を行った。


2012年04月04日水曜日


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