東日本大震災直後、気象庁がとらえていないマグニチュード(M)5以上の地震が430回以上も発生していたことが、米ハーバード大の石井水晶准教授らの解析でわかった。M9の巨大地震の余震活動の激しさを示すものといえそうだ。「ステルス地震」と名付け、解析を進めている。
石井准教授らは、米国の地震観測網のデータを使い、地震エネルギーを放出している場所を探る特殊な解析法で、震源を調べた。東日本大震災を起こしたM9の地震発生から25時間分を解析すると、気象庁が発表していないM5以上の「ステルス地震」が430回以上、発生していた。
気象庁が把握していなかったのは、地震がほぼ同時刻に多発したことや、地震波の進む方向と地震計の位置が関係していると考えられるという。ただ、はっきりしない面もあり、研究チームは「ステルス地震」の謎をさらに解明していく。(瀬川茂子)