JR東日本は25日、次世代の太陽光発電として開発中の「有機薄膜太陽電池」の稼働実験を宇都宮市西川田町のJR日光線鶴田駅で開始した。システムの状況などを約1年間検証し、将来的に実用化を目指す。同社が有機薄膜太陽電池を駅に設置して試験に乗り出すのは初めて。
有機薄膜太陽電池はシリコン半導体の代わりに有機化合物半導体を使うため、薄くて軽く、曲げられることなどが特徴。発電量の少なさが課題となっており、各メーカーなどが技術開発を競っている。
同社は鶴田駅の改札口とホームをつなぐ通路の屋根に、20センチ四方の電池48枚を設置。最大で毎時30ワット発電することができ、発光ダイオード(LED)照明4灯(合計約18ワット)の電力を賄える。有機薄膜太陽電池そのものが半透明なため、透明な屋根材に設置すれば日光を遮らない。JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所の石塚哲夫副所長は「継続的な試験で発電量や雪、風といった天候の影響などを調べ、駅でも安心して使用できるようにデータを積み重ねたい」と話している。