森亘氏
政府の臨時脳死及び臓器移植調査会(脳死臨調)で会長代理を務めた元東京大総長の森亘(もり・わたる)さんが1日、肺炎のため死去した。86歳だった。通夜は4日午後6時、葬儀は5日正午から、いずれも東京都文京区大塚5の40の1の護国寺桂昌殿で。喪主は孫圭太さん。
東京大医学部卒業。人体病理学を専門とし、劇症肝炎の研究などの業績で、文化勲章を受章した。
1990年に首相の諮問機関として設置された脳死臨調は2年にわたる議論を経て「脳死を人の死とすることについて、おおむね社会的に受容、合意されている」との答申をまとめ、97年の臓器移植法の成立に道を開いた。
また、世話人を務めた移植関係学会合同委員会では、摘出した臓器を移植ネットワークを通じて公平公正に患者に提供することを定めた指針や、各臓器ごとの移植の実施施設を決める基準など移植医療の基盤づくりに貢献した。