2012年4月3日
学力向上の指標とするため大阪府が小中学生に実施している共通学力テストについて、10市町が次回から参加しないことを決めた。学校別の成績公表を求める大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)の意向を受けた府教委が、個人に対して所属校の成績を提供することにしたため、「学校の序列化を招きかねない」などと判断した市町が多い。
不参加を決めたのは、箕面、大東、大阪狭山、泉大津、高石、阪南、和泉、豊能、能勢、熊取の10市町。
府の学力テストは昨年、当時知事だった橋下氏の意向で、子どもの学力を把握して対策を練る目的で始まった。国のテストや独自のテストを活用していた大阪、堺の両指定市を除く41市町村が参加し、今年も同じ41市町村が参加の意向を示していた。
だが、テストの学校別結果を一律公開するよう提案していた大阪維新の会がダブル選を制したため、府教委は「子どもの学校の位置づけを知りたいという親の要望を考慮する」として、本人の成績表などに、府全体の正答率に加えて所属校の正答率も記す方針に転じた。序列化のリスクはあるが「保護者が学校の現状を知り、学校運営に関心を持つ効果の方が大きい」と説明していた。