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“羽毛の巨大恐竜” 化石発見
4月5日 2時50分

“羽毛の巨大恐竜” 化石発見
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白亜紀に生息していた巨大な恐竜ティラノサウルスの一種で、全身が羽毛に覆われていたと推定される新種の恐竜の化石が中国で見つかりました。
羽毛を持つ恐竜はこれまで小型のものは見つかっていましたが、大型の恐竜では初めてで、恐竜の進化を考えるうえで貴重な発見として注目されます。

恐竜の化石は中国東北部の遼寧省にある今から1億2000万年前の白亜紀前期の地層から3頭分見つかり、骨格などから全長9メートルもある巨大な恐竜、ティラノサウルスの一種とみられています。
中国の研究チームがさらに詳しく調べたところ、首や尾など体のあちこちの化石に繊維状の細長い毛のようなものがついていて、毛の形が鳥に進化する前の「羽毛恐竜」と似ていることが分かりました。
これまで見つかっていた「羽毛恐竜」は、いずれも体長が2メートルほどの小型のものに限られ、今回のティラノサウルスのような巨大な恐竜で見つかったのは初めてで、「美しい羽毛を持つ王」という意味の「ユウティラヌス・フアリ」と名付けられました。
恐竜に詳しい国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「巨大な恐竜では体温調節が難しいために羽毛がなかったというのが定説だった。今回の発見はそれを覆すもので、羽毛は変温動物から恒温動物への進化や、仲間の識別など恐竜の進化を考えるうえで興味深い」と話しています。
この成果は、5日、発行されるイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されます。

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