■進まない普及
李明博政権は09年にグリーン産業育成の重要課題として、「電気自動車産業活性化プラン」を示した。12年までに4000台、20年までに100万台の普及を目指す壮大な計画だった。国土海洋部(省に相当)は、低速電気自動車が公道を走行できるよう自動車管理法を改正。衝突テストを免除するなど自動車安全テスト28項目を緩和した。環境部は低速電気自動車の購入者に1台当たり最大578万ウォン(約42万円)の補助金を支給した。
しかし、普及し電気自動車は、現代・起亜自動車とルノーサムスンが開発した高速電気自動車を合わせても344台。一般向けの販売はほとんどなく、政府と地方自治体はテスト運行目的で購入した分がほとんどだった。
専門家は「政府が興奮し過ぎた上、企業に実力もなく、市場を欺いたことが問題だ」と指摘した。低速電気自動車はバッテリーの性能が劣り、最高速度が60キロに過ぎず、一度の充電で走れる距離も70キロに満たない。それでも価格は2000万ウォン(約146万円)程度と、軽自動車に比べ1000万ウォン(約73万円)高い。
政府機関は責任逃れに躍起だ。知識経済部の関係者は29日「当初から低速電気自動車は駄目だと言っていた」と語った。産業研究院のチョ・チョル主力産業チーム長は「電気バイクといった形で、公園や大型産業施設の管理用に適している車両を一般向けに広く販売しようという計画自体に無理があった」と指摘した。