福島第1原発:作業員被ばく上限350ミリシーベルト要求

毎日新聞 2012年04月05日 03時06分(最終更新 04月05日 03時47分)

昨年3月23日、福島第1原発1、2号機の中央制御室内で計器を確認中の作業員。ちょうどこのころ、作業員の被ばく線量をめぐり、原子力安全・保安院と厚生労働省の間で激しいやりとりが続いていた=原子力安全・保安院提供
昨年3月23日、福島第1原発1、2号機の中央制御室内で計器を確認中の作業員。ちょうどこのころ、作業員の被ばく線量をめぐり、原子力安全・保安院と厚生労働省の間で激しいやりとりが続いていた=原子力安全・保安院提供

 労働安全衛生法の規則は、被ばく量の上限を通常時の作業で「1年間で50ミリシーベルトかつ5年間で100ミリシーベルト」、緊急時の作業期間中は「100ミリシーベルト」と規定。厚労省は福島の状況が切迫しているとして事故3日後、緊急時の上限を250ミリシーベルトに引き上げた。その一方、通常時の上限は維持し、両者の線量を合算して規制する方針だった。これだと福島での被ばく線量が50ミリシーベルト超なら1年間、100ミリシーベルト超なら5年間、他の原発では働けなくなる。

 このため東電やメーカーは作業員に不利益になるなどとして、合算せず別枠での規制を要求。別枠なら福島で250ミリシーベルト浴びても他の原発で通常時の上限まで働くことが可能になる。まずは3月22日、現場に作業員を送り込んでいる日立GEの親会社、日立製作所が、当時の細川律夫厚労相に別枠化を要請した。

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