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関テレアナ・山本浩之さん「我慢強い東北の人でさえ怒っている」

産経新聞 4月3日(火)15時15分配信

関テレアナ・山本浩之さん「我慢強い東北の人でさえ怒っている」
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山本浩之さん(頼光和弘撮影)(写真:産経新聞)
 −−東日本大震災の発生から1年、被災地からの報道では、「国の動きが後手後手に回っている」という内容のものも目立ちました。現地で国の姿勢を実感しましたか

 山本 そうですね。昨年3月下旬、『政府、復興庁設置を検討へ』という記事が出ましたが、実際に復興庁が発足したのは、ほぼ1年たった今年の2月10日。阪神大震災の時と比較にならないぐらい遅いです。それ以外でも、岩手県陸前高田市は、がれきを使って防潮林の土台などに使いたいと国に提案しているんですが、ことごとくはねつけられている。政府はほとんど何もしない上に、現場から上がった声をつぶしている。これは、ちょっとひどいですよね。

 −−被災者の方々の不満も大きいのでは

 山本 あの我慢強い東北の人たちでさえ、かなり怒ってますね。「がれきを目にしている間は何も変わらない」って。

 −−その通りですね

 山本 岩手県の大槌町や陸前高田市では、がれきが一切合切野積みされているだけ。分別も裁断もされていない。今からやっても相当かかるのに、計画すらない。こんな状態を1年間放置した上、その先の道筋も示せないなんて。阪神大震災のときの政府の対応に、作家の小田実さんが「これは『人間の国』か」と憤慨されてましたが、全く同感です。

 −−2253万トンの震災がれきのうち、現在までに処理できたのは、わずか6・3%。大阪市は受け入れを検討していますが

 山本 大阪市長の橋下徹さんと、直接話したんですよ。市が管理・運営する夢(ゆめ)洲(しま)などが最終処分場としてあがっているんですが、海面投棄型処分場のために、水溶性の高い放射性セシウムが海に流れ出る恐れがある。で、市が環境省に個別に安全性を評価するよう求めていて、安全基準がクリアされたら5月にも受け入れを始めたいと。

 −−関西へ避難されている被災者も4千人を超えています。まだまだ復興への道のりは険しそうです

 山本 阪神大震災から17年たった今でも、神戸を中心にお年寄りの声を聞くボランティアがいます。関西へ避難されている方のために何かできへんかな−と考えています。

 −関西に住む私たちが、今後東北をどう支援していけるのでしょうか

 山本 それはお金であったり、物であったり、雇用の手助けだったり。特性を生かして何ができるかだから、やはり一人一人が考えるしかないですよね。

 −−関西だからこそ、何かできることがあるとも考えられますね

 山本 阪神大震災を経験した関西の視聴者に、1年たった被災者の生の声や姿を伝えることで、被災地の実情を少しでも身近に感じてもらい、何か行動を起こすきっかけになればと思っています。

 −−震災遺児の特集放送を見た兵庫県の視聴者から、仙台の震災遺児施設にぬいぐるみがたくさん届けられたそうですね

 山本 うれしかったですね。ほかにも1千万円を施設に直接届けた関西の人がいて驚きました。

 −−震災報道を今後どう続けていくつもりですか

 山本 がれきを全国各地で受け入れてくれるよう、放送を通じて言い続けたい。岩手県宮古市で、実際に自分で放射線の空間線量を計ったら梅田の半分以下でした。そのがれきを引き受けられないなら、梅田にも、子供連れて買い物に行けませんよっていう話ですから。行政も、国民も、冷静になってほしい。だから言い続けます。(聞き手 梶原紀尚)

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最終更新:4月3日(火)17時28分

産経新聞

 

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