そして、やるべき仕事はたくさんある。津波は日本の東北沿岸一帯に、自治体の一般廃棄物のおよそ20年分に当たる推計約2250万トンの瓦礫を残した。最終処分されたのは、そのうちの6%にすぎない。
丁寧に仕分けられたタイヤや板などの瓦礫が、まるで埋葬塚のように海岸線に沿って高く積み上げられ、今は穏やかな海の波に洗われている。
農地の多くは海水に浸かってしまい、塩分を洗い流すのに数年かかるだろう。陸前高田をはじめとする多くの土地で、学校の校庭にずらりと並ぶ仮設住宅のほかは、建物の再建はほとんど始まっていない。地面にわずかに残るコンクリートの基礎の痕跡が、失われた街を思い出させて涙を誘う。
政府に幻滅を感じているのは東北だけではない。幻滅は日本中に広がっており、その起こりは昨年よりはるか以前に遡る。
同じような状況は、2009年に有権者が約55年間、ほぼ途切れることなく続いた自民党支配に終止符を打った時、そして自民党に取って代わった民主党に愛想を尽かした時にも見られた。ただ、3月11日以降、幻滅感はぐっと強くなった。
ロシアと変わらない政府への信頼の低さ
PR会社の米エデルマンが1月に公開した年次調査によると、長年一定のレベルにあった日本人の政府機関に対する信頼は急激に低下した。今ではウラジーミル・プーチン氏の政府機関に対するロシア国民の信頼度とほとんど変わらない。
原発事故は官僚と電力会社に対する信頼を打ち砕いた。報道機関に対する信頼も急落した。自治体でさえ、今は政府に対する不信感を隠そうとしない。福島原発に近い3つの町の町長は、2月に開かれる予定だった汚染土壌の埋め立てに関する閣僚との会議をボイコットした。「政府は嘘ばかり言う」と町長の1人は吐き捨てた。
野田佳彦首相に信頼の崩壊について尋ねると、首相は、政府の対応が遅かったという認識があることは認める。だが、仮設住宅と多額の復興予算は、政府が実際に「本気で取り組んできた」ことの証しであり、与党と野党は被災者を救うために「肩を並べて」協力してきたと、野田首相は主張する。
しかし、東北の被災地を訪れてみれば、別の物語が見えてくる。東京での政争が復興の努力を少なくとも3カ月遅らせたと、複数の地元自治体の職員は話す。
自民党は一時期、首相との直接会談を拒否し、即時解散総選挙を強行できるかもしれないと期待して、事実上救済努力を妨げていた。民主党は民主党で、党内対立が高まり、当時の菅直人首相が辞任を余儀なくされた。
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