トップページ社会ニュース一覧強風 企業や社員は冷静に行動
ニュース詳細

強風 企業や社員は冷静に行動
4月4日 20時39分

強風 企業や社員は冷静に行動
K10042188311_1204042101_1204042104

発達した低気圧による強い風の影響で、3日、首都圏では交通機関が大きく乱れましたが、東日本大震災などの災害を経験したことで、多くの企業や会社員らは、比較的冷静に行動していたことがうかがわれます。

鉄道が断続的に運転を見合わせるなか、帰宅困難に陥らないようどう対応したか、東京・新橋で、会社員に聞きました。
このうち、28歳の会社員の男性は、東京・中央区にある勤務先の商社が、3日の午後の時点で、社員らを帰宅させる措置を取ったため、午後2時すぎに勤務先を出て、葛飾区の自宅に向かいました。
タブレット端末を使って、地下鉄やJRのホームページの運行情報を確認しながら、帰宅したということです。
男性は「リアルタイムに情報を入手することができて、問題なく自宅に帰ることができました」と話していました。
また、足立区に住む29歳の女性の会社員は「女性は早く自宅に帰るように、お昼休みには会社から指示が出たので、すぐに帰宅しました。去年の秋の台風のときには、会社の判断がすぐに出ずに帰宅するのに困ったので、今回は助かりました。会社も反省を生かして、対応してくれたと思いいます」と話していました。
企業の指示で交通機関が混雑する前に、帰宅した人が目立った一方、あえて帰宅時間を遅らせた人もみられました。
さいたま市に住む62歳の会社員の男性は、会社の近くの飲食店で同僚と食事をし、電車の混雑が落ち着いてから帰宅したということです。
男性は「お店のテレビで交通情報を確認しながら、同僚とお酒を飲んでいました。東日本大震災を経験したので、ちょっとの災害では動じなくなりました」と話していました。

東京都は経済団体宛に要請文

東京都は風が強くなる前の3日の朝から経済団体宛てに要請文を作成しました。
強風によって鉄道が運休し、駅などが混乱することも想定して企業の従業員が早めに帰宅するなど、同じ時間帯に一斉に帰宅しないことを求めるものでした。
去年の震災や台風15号で、交通機関がまひし、大勢の帰宅困難者が出たことを踏まえて初めて行った要請でした。
文書は昼には複数の経済団体にファックスで送られました。
この対応について、東京都総合防災部の村松明典部長は「帰宅時間帯に強風のピークが来ると予測されていたので早めの注意喚起を心がけた」と話しています。
さらに東京都は職員にも指示を出していました。
都庁にいた1万人の職員に対して、風がおさまる午後8時ごろまで待機したうえで一斉に帰らないよう30分刻みで帰宅させました。
これについて、村松部長は「1万人の職員が一斉に動くことは混乱を招くおそれがあり、都としても組織的な対応が必要だと判断した」と話しています。

[関連ニュース]
このページの先頭へ