鯨肉加工の道具を寄贈 くじらの博物館「歴史を探る貴重な資料」 串本町大島の吉田勇士さん
大阪市在住で大阪府岬町、みさき公園の学芸員、吉田将義さん（３４）が本家の歴史を調べるために大島に帰省したときに、おじの勝也さんに道具を見せてもらったのを写真に収めた。その写真が以前の研修先である太地町のくじらの博物館、学芸員の櫻井敬人さん（３９）の目にとまったのが寄贈のきっかけとなった。
道具は昨年勝也さんが亡くなったため、勝也さんの兄の勇士さんが保管しており「博物館へ寄贈することによって大事に管理していたおじの名前が残り、貢献につながると思った」とする。
寄贈したのは全部で１４点。長さ２�達隠記臓⊃賄呂蝪苅記造猟絞訴饕�。長さ１�辰曚匹亮蠅�ぎ。包丁は１２点あり、刃渡り２０�造�ら６０�造如⊂�さい物は骨に付いた肉をこそげたり、大きいのは２人で切ったりするのに使ったという。
捕鯨が盛んだった当時は、串本や大島に４社ほどの捕鯨基地があり、１日に１００頭も捕れた時もあったという。クジラ加工場もでき、勇士さんの高祖父にあたる儀助さんは、解体されたクジラを買い付けてコロや内臓を煮るなどの加工をして京阪神へ出荷するヤマヨ商店を経営。勇士さんはそのころを振り返り「子ども心に迫力あるなぁ」と思っていたと話す。道具は昭和３０年代に同地から捕鯨の会社が撤退するまで使われていたと見られ、その後、ひ孫の勝也さんが大切に保管していた。
櫻井さんは「由来がちゃんと分かり、しかもまとまった数がそろっているので素晴らしい。博物館などが集めなかったらどんどんなくなってしまう。もっとほかにもあるかも知れないので、いただけるのだったらありがたい」。吉田さんは「調べてみて本家がクジラにかかわっていると知っておどろいた。町役場とも連携してこれからも調べていけたら」と話していた。
【写真】吉田勇士さんから学芸員の桜井さんへ手渡した＝１６日、串本町大島
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