東日本大震災でクローズアップされた大都市の帰宅困難者対策で、横浜市は今月から、災害時に帰宅困難者を一時的に受け入れる施設の状況を、携帯電話やスマートフォンで検索できるシステムを始めた。受け入れ可能な施設が色分けされて画面に表示される仕組みで、市によると他に同様の例はないという。
内閣府は震災発生当日、首都圏で約515万人、うち神奈川県で約67万人が帰宅困難になったと推計。横浜市は災害に備え、横浜アリーナなど大規模施設2カ所を一時滞在場所に指定していたが、震災では帰宅できなくなった約2万5000人が、ホテルやデパートなど市内80カ所以上の施設に一時滞在した。
横浜市が始めたシステムは、GPS(全地球測位システム)機能付きの携帯電話やスマートフォンからアクセスすると、現在地周辺の地図と一時滞在場所として指定された施設が表示される。施設は「受け入れ可能」が緑▽「安全確認中」が黄▽「満員」が赤--と色分けされる。
それぞれの施設を選択すると、トイレや水の提供の有無など詳しい情報も得られる。GPS機能がない携帯電話からは、近くにある駅などを入力すれば周辺の施設が示される。
首都直下地震が起きた場合、首都圏で約650万人が帰宅困難になると推計される。横浜市はこれまでに、134施設を帰宅困難者の一時滞在場所に指定。帰宅困難者が迷わず行動できるように、検索システムの開発を進めてきた。
アドレスは、スマートフォンがhttp://wwwm.city.yokohama.lg.jp/b-sp/、携帯電話がhttp://wwwm.city.yokohama.lg.jp/b-m/【松倉佑輔】
毎日新聞 2012年4月4日 10時40分(最終更新 4月4日 10時48分)
「メディア・プロダクション・スタディーズ」の研究を始めた五嶋正治准教授に聞く。