地域の会が頑張っている。
原発賛成も反対も容認もみんな含め、市民が一堂に会し、議論する、意見交換する手だてがあってもいいのではないか。
これは、私が当時の市長に議会本会議場で話したことである。どこか議事録に残っているはずだ。10年ほど前であろうか。それから何年かたって「地域の会」ができた。
さて、7年前の柏崎市議会である。8月29日、東電の不祥事が明らかになり、プルサーマルの白紙撤回が決まった9月議会である。
私自身は何を言っていたのだろうと振り返ってみた。
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また、立入検査、国の立入検査が週明け、土曜日、日曜日を挟んで週明けからと、こういった体制、感覚、余りにもお役所的であります。こういったことに対して、市長として、批判なり、また、抗議をしているのか、そういう手段、方法はないのかと。
安全確保、地域住民の安全や安心の確保というのは、ある意味で、政治に課せられた一番の課題だろうと思うわけであります。それを即座に地元の市長が措置できるようなシステム、法体系を構築するべきであります。そのような要請を国に求めるべきであろうと思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。
具体的に申し上げるならば、安全協定の見直し、安全協定等も、私も久しぶりに見直してみました。残念ながら、そういった拘束力等ないわけであります。であれば、今後、安全協定を見直すつもりがないのかどうなのか。ほかの県においては、安全協定の見直しをなされているところはあるわけです。新潟県も行っておりますが、残念ながら、今回のような事態に対応し得るような見直しでは、新潟県の場合、柏崎市、刈羽村の場合はありません。1つ、情報開示への姿勢を含めても、そんな規定はないわけであります。
そしてまた、先ほども申し上げましたが、余りにも今回の事件で問題になるのは、事業者へのペナルティーであります。確かに社長は、もしくは歴代にわたって、やめられる方向ができた。実質的なペナルティーがないじゃないかと。電気事業法、それから、原子炉等規制法、そういった中で、せいぜい罰金が30万円以下になる。もしかしたら、それも当てはまらないかもしれない。なぜだというふうに調べたならば、これは自主点検の作業の中の範疇だから、だから、もしかしたら、報告聴取命令拒否には当てはまらないかもしれない。もしかしたら、罰金さえも、30万円さえも払わないでいいかもしれないというような状況は、余りにもおかしい。地元の自治体として、これは架空のような話かもしれませんけれども、送電権は柏崎市に持たせろと、いざとなったらとめるぞというようなぐらいのスタンス、要求があってもしかるべきじゃないでしょうか。国、県との関係において、より一番身近な自治体が、より強い権限を持てるようにするべきであります。当然、国の、国にもかかわる問題でありますから、市の独断というふうには至らないんだろうと思います。しかし、余りにも今、一番身近な自治体の権限がないと考えるわけでありますが、いかがでしょうか。
サイト内に原子力保安検査員がいらっしゃいます。保安検査員は、定検を含め、今までこういった作業を御自分の職務として行ってきていらっしゃるわけですけれども、市民の方々から、よく言われるのに、どうして保安検査員がいたのに、そういうのを見抜けなかったんだ、何のために、そんなものつくったんだという単純な論理であります。当然、言いわけもあるんでしょう、業務が違ったんだということがあります。しかし、保安検査員を設けた意味は、国によって、その安全が担保されるんだと。その現実として、保安検査員の制度が設けられたはずであります。それが機能しなかった。もしくは、もともとその機能を持っていなかったいうことであるならば、これもまた、極端ではあるかもしれませんけれども、柏崎市独自の検査体制を持つことも、もしかしたら考えなければいけないのかもしれない。人材が必要であるならば、原子力工学科を卒業したような、もしくは東京電力から引き抜くなり、もしくは必要であるならば、外国の検査機関から引き抜くなりしながら、柏崎市独自の検査機関も持つ可能性も考慮しなければいけないような事態に立ち至ってしまうのではないか、もし国の検査というものが機能しないなら、ということであります。
(平成14年9月10日 柏崎市議会一般質問から)
同平成14年9月議会にて可決された意見書である。延々と議事進行、質疑、討論。採決、可否同数、議長に判断がゆだねられた。議長、可決。
議員発案第17号 東京電力の企業倫理を問い、国の原子力安全政策転換を問う意見書(案)
上記の議案を別紙のとおり議会会議規則第14条の規定により提出します。
2002年9月20日
柏崎市議会議長 高橋照男様
東京電力の企業倫理を問い、国の原子力安全政策転換を問う意見書(案)
8月29日に露見した、東京電力株式会社のデータ改ざん、隠ぺい問題、また、長きにわたりそれに看過してきた国の無作為。今回の事象そのものが科学的、技術的、客観的に見て安全・危険であるかという論議は別のものとして、これだけ大きな問題に発展し、東京電力4代にわたる社長、担当副社長が辞任の道を歩まざるを得ない事態に立ち至ったのは、国民、とりわけ立地地域住民の信頼を裏切ったという社会的事実からである。国の責任も同様である。私たちが4年前に設立を要求した、新たな原子力規制機関が「原子力安全・保安院」として設立されたものの、いまだその機能が不十分で、役割を果たしていないことが明らかになった。私たち柏崎市民は、この問題を非常に重く、厳しく認識している。
よって、下記事項を速やかに誠実に実行されることを求めるものである。その実行が全くなされない場合、私たちは今後、プルサーマル計画を含め、国の原子力政策、エネルギー政策に一切協力しないことを明言する。
記
1 東京電力柏崎刈羽原子力発電所全7基のうち、既にとめられた1号機のみならず、今回問題となった2号機、5号機も直ちにとめ、安全の確認を行うこと。
2 国の原子力規制機関としての原子力安全委員会は「原子力規制委員会」に改名し、根本的に原子力安全・保安院は、その陣容を充実強化すること。とりわけ、原子力安全・保安院においては、資源エネルギー庁から離れた完全に独立した機関とすると同時に、高度技術に対応する専門官の養成に努めること。また、NRCなど外国の原子力規制機関との協力体制を組み、実効性があり、安心を創出できるような策を講じること。
3 3号機、4号機、6号機、7号機に関しては、可及的速やかに、順次、定期点検を前倒しし、その安全を確認すること。
4 安全基準の見直しに関しては、原子力施設を有する世界各国の実情を把握し、また、IAEAなど国際機関と十分に協議し、世界標準をつくり上げ、いたずらな完璧主義を廃した、合理的、客観的な安全、安心の確保に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
2002年9月20日
柏 崎 市 議 会
理由
東京電力の企業倫理、並びに国の原子力安全政策転換を問い、新たなる出直しを求めるため。
このたび、朋友会会長 金子錦弥議員、市民クラブ会長 坂井隆雄議員、整風会会長 本間厚幸議員初め、多くの賛同者の名前をちょうだいし、本意見書を提出するに当たり、私どもの立場と考え方を明確にし、その提案理由を述べさせていただきます。
私ども市民クラブ、朋友会、整風会は、3年前、平成11年1月11日、東京電力、並びに国・資源エネルギー庁に申し入れを行いました。高橋照男現議長、小池 寛議員、また、原発議長会の顧問として丸山敏彦議員初め、多くの議員が上京いたしました。
プルサーマル論議が、まさに、その2ヵ月後、意義を認め、容認するという内容で意見書が可決される間際のことであります。
その際、上げた4つの条件のうち、1番目は、国における原子力安全審査機関の新設でありました。これは、既に、この数年前から申し上げていたことでしたが、あえてトップに上げた事項でありました。結果、原子力安全・保安院という形で実現がなされました。
しかし今回、まことに残念ながら、その原子力安全・保安院が機能しなかったと断ぜざるを得ません。また、保安検査官制度も同様です。権限がなかった、事実でありましょう。しかし、含め、機能しなかったというわけであります。
東京電力では、この際でしたか、別の折でしたか、私は、南社長、荒木会長お二人おそろいの場で、こう申し上げました。柏崎を裏切ったり、使い捨てのように見捨てたりしたら、絶対に許さない。まさに裏切られたわけであります。
同年3月議会で激しい議論の末、容認の意見書は可決されました。1ヵ月後、私どもは家族を巻き込んだ厳しい選挙戦への突入を余儀なくされました。
同年秋、戸田議員が、実行委員長を務められた第2回の原発議会サミットでは、皆さんの議論の中で、その一致点として、国に対し、幾つかの点が要望事項として上げられました。(発言する者あり)皆さんの論議の中でと申し上げております。
1、原子力安全委員会の抜本的見直し、中立的チェック機関として独立、質・量をともに充実した強い執行機関への改組。
1、原子力機関への調査、査察に実効性を持たせ、抜き打ち調査の実施、違反時には重大なペナルティーを課すなど、厳しい態度で臨むこと。
具体的な取り組みが国によって示されないまま、そして、先般8月29日、東京電力から発表がなされました。
8月30日、私どもは早速、国、東電に申し入れに参りました。議員の皆様には、説明が足らず、不愉快を与えた面がありました。反省するものであります。しかし、簡単な言葉で申し上げるならば、どうにも我慢ができなかった。その際、阿部 博議員、吉野芳章議員も参加され、お二人からは、私どもは原発プルサーマルは容認し、その意義は認めるが、今回の不祥事は許せない、との強い姿勢、発言をお聞きいたしました。また、高野 宰議員からは、容認する立場だからこそ、強い抗議をするべきだ、とのお立場をお聞きいたしました。
6日の決議は、提出者の皆様もお話されているように、プルサーマルを未来永劫とめろとおっしゃっているのではないということであります。賛成された議員の中には、原発プルサーマルの意義を認めていらっしゃる、明言していらっしゃる議員もおられます。私どもの意見書の提出が遅くなったというより、決議の方が早かったがゆえに、その一部の意味に同調されたというふうに、私どもは解釈をしております。
9月6日の決議提出者は、原発も反対、プルサーマルも反対であります、一貫して。しかし、時期はともかくも、議論するべき時期が来たら、その際には議論すればいいという態度にお聞きしました。具体的な時期、また、それにつながる指標は示していらっしゃいません。そして、プルサーマルの意義を認めている議員にも、賛成していただいても構わないとおっしゃる。結果、可決されました。(発言する者あり)
静かにさせていただけます。
私どもは……。 主義者ではありません。東電、国、だめだと言って切り捨てることはすべてだとは思っておりません。それによって事が済むとは思っておりません。私のスタンスは……。(発言する者あり)
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
あともう少しですので、述べさせていただきます。
私どものスタンスは、現実に対応し、厳しく注文をし、そして、早急に新たな組み立てをさせなければいけないという態度であります。もし、それができなかったならば、残念ながらエネルギー部門において、国には協力はできないという態度なのであります。つまり、それは新しい組み立ては東電や国がやることだという議論があります。第一義的にはそうです。しかし、(発言する者多し)私は何もしないでよいのかと、それは間違いです。今、現在、柏崎の原発は動いているわけですから……。(発言する者あり)
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
あと7行です。
私たちが求めるのは、まず何より動いている原子力発電所の前で、東電、国に早急に態度や考え方、また、システムを改めさせるべきだという当たり前のことなのです。計画よりも、何よりも、そして、計画を含め、私どもの要求が全く実現に向け動き出さないとするならば、エネルギー政策において、原子力施策において協力できないという強い態度なのです。
私どもは……。
〔「7行超えてるだろう、もう。」と呼ぶ者あり〕
7行と言ってる。
私どもは、既に4年前、国、東電とは激しい議論を行い、私たちの信頼の依拠するところの詳細を申し上げてまいりました。そして、この始末であります。ですから、この意見書は、私どもの最後通牒ととらえていただきたいと考えております。
以上、終わります。(発言する者多し)
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今日はちょっと自己顕示だったね。けれども緊張感、責任感と先進的な意欲に満ちていたと思う。