原発安全対策の新基準作成指示4月3日 21時14分
福井県にある関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、野田政権は、3日夜、初めて、野田総理大臣と3人の関係閣僚による会議を開きました。
この中で、野田総理大臣は「これまでに明らかになったすべての事実について、徹底的に検証したい」と述べたうえで、枝野経済産業大臣に対して、運転再開の前提となる、原発の安全対策の新たな基準を作るよう指示しました。
大飯原発の「ストレステスト」について、国の原子力安全委員会が、先月、一定の評価をする見解をまとめたのを受けて、野田総理大臣は、3日夜、藤村官房長官、枝野経済産業大臣、細野原発事故担当大臣の4人による関係閣僚会議を初めて開きました。
この中で、野田総理大臣は「これまで原子力安全・保安院や原子力安全委員会が行ってきた、専門的、科学的な評価の内容をしっかりと確認し、国民の視点から、再起動に必要な安全性が確保されているか、われわれ4大臣がしっかり判断したい。これまでの東京電力福島第一原子力発電所の事故の検証結果や、安全対策の内容、それに関西電力大飯原子力発電所3・4号機のストレステストの1次評価の結果を確認し、これまでに明らかになったすべての事実について、徹底的に検証したい」と述べました。
そして、原子力安全・保安院から原発事故の検証結果などの説明を受けて、意見を交わしましたが、出席者からは、福島第一原発の事故を受けた安全基準について、「事故に至らないための安全基準が分かりにくい」といった指摘が出されました。
このため、野田総理大臣は、枝野経済産業大臣に対し、運転再開の前提となる原発の安全対策の新たな基準を作るよう指示し、今週中に改めて関係閣僚会議を開き、安全対策について協議することになりました。
枝野経済産業大臣は、記者団に対し「総理からは、暫定的なものであれ、基準を整理して、できるだけ早く提示するよう指示を受けた。ただ、安全が確認されたとしても、地元の理解を得るためには一定の時間がかかるだろう。ダラダラはいけないが、拙速もいけない」と述べ、運転再開するかどうかの判断がいつになるのかは明言を避けました。
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