平野達男復興相が、東京電力福島第一原発事故で立ち入りを制限している警戒区域の中に、将来にわたり住民が帰宅できない区域の設定を検討していることがわかった。政権は避難区域を三つの区分に再編し、福島県全域での帰宅をめざしているが、帰宅不可能な区域を認めるのは初めて。
平野復興相は3日、復興庁で福島県の佐藤雄平知事や同県双葉町の井戸川克隆町長らと会談。井戸川町長によると、平野復興相は「プラント(第一原発)のそばに住んでいいのかという問題がある。バッファー(緩衝地帯)のようなものが必要なのではないか」と述べたという。安全性を担保する狙いで、原発周辺数キロ圏を念頭に地元自治体と協議して設定する方針だ。
井戸川町長は「放射線量が低いからと言って原発の近くに住んでいいのかと思っていた」と評価。大熊町の渡辺利綱町長も「今の状況から考えると、そういう考えも必要になってくる」と前向きに受け止めた。