みんなで歩いて町を知ろう!~東京大学地文研究会地理部~2012年02月12日 (日)
【2月5日の放送】
東京大学地文研究会(ちもんけんきゅうかい)地理部の皆さん(稲益敬志郎さん、東昴太郎さん、塚本恒さん)が来てくれました。全員、東京大学教養学部の1年生です!!
東大地文研地理部の主な活動は「巡検(じゅんけん)」。巡検とは、、、ひとことで言うと、東京近郊の町を週に1度みんなで歩くという活動です。
部員の有志が企画を持ち寄って、歩くエリアや実際に訪ねるスポット、ルート取り、テーマなどを考えて、企画化します。
これまで実行された企画は、「都電巡検」「六大学巡検」「東横線巡検」「TV局巡検」「坂道巡検」「四谷巡検」などなど、個人的に気になるものが盛りだくさん。NHK総合テレビで放送されている「ブラタモリ」のような活動をしています。
巡検への参加や地理部への入部は、基本的に大学を問わないインカレ形式。しかもいつでも途中参加途中離脱が可能なフレキシブルな体制になっています。
先月の1月28日(土)に「池袋・雑司ヶ谷巡検」が行われ、JYONGRIとともに参加してきました!
池袋は、東京都の豊島区にある街で、JR山の手線、東武東上線、西武池袋線などが乗り入れする巨大ターミナル駅が立地する、副都心。
そして雑司ヶ谷は同じく豊島区ですが、池袋の南側に隣接し、築100年以上の建物や古い家屋が残っているエリアです。
池袋というと、“やんちゃな若者がたむろすエリア”というイメージ、雑司ヶ谷にいたっては存在すら知らなかったのですが…
午前中に訪れた立教大学の池袋キャンパスは、1917年に作られた赤れんが造りの建物が残っていて、新しく作られた建物も赤レンガで統一している様子が伺え、キャンパス全体が神聖なオーラに包まれている心地がしました。
また、午後1番に、サンシャイン60展望台にのぼり、立教大学のエリアや、雑司ヶ谷霊園という11万平方メートル以上の面積を持つ都立の霊園を見下ろしました。池袋の駅から少し歩いただけで、文教地区や緑に囲まれた場所があることが伺えました。
<知りたいテーマを持って参加した東さん>
池袋とその南に隣接する雑司ヶ谷地区。池袋がなぜ現在のような副都心になったのか、その南に隣接する雑司ヶ谷地区にはなぜ古い町並みが残っているのか。
あらかじめエリアの概況を調べて、その理由を知ろうと参加したのが東さんです。
そんな東さんや多くの部員が多いに驚いたのが、豊島区立郷土資料館で見つけた豊島区の地図。
1万分の1のサイズで、1909年から戦前、終戦直後、高度経済成長期の少し前の時期と、同じ区画の豊島区の市街地の地図が閲覧用で置いてありました。
地図や鉄道に強い先輩が、1909年当時の池袋駅についてうんちくを話していると、学芸員さんが、思わぬ話をしてくれました。
学芸員「今の山の手線が田端へ分岐する時、当初は目白駅で分岐の予定だった。でも目白駅から田端方面へ分岐すると、巣鴨刑務所、現在のサンシャイン60ビルにぶつかってしまう。そのため、目白より北にあり、信号所だった池袋が分岐駅に選ばれたという説がある」
東「とすると、もし巣鴨刑務所がなかったら、もう少し南に駅が出来て、池袋は現在のような繁華街、ターミナル駅になっていなかった可能性がある?」
学芸員「可能性はあります」
街の発展に欠かせない駅の歴史に関する秘話が聞けました。
地図や鉄道に詳しい人と話していたことで、あらたに得られた発見です。
統計に強い人(人口、生産額数など)、歴史に強い人、鉄道路線に詳しい人、企画をたてるのがとにかくうまい人などなど、いろんな強みを持つ人同士で色々と話ながら歩くことで、「知の交換」が行われ、対象とする街への見方がぐっと深まるとのこと。
「いつでも誰でも参加可能」な、東京大学地文研究会地理の巡検。
おかげさまで、私も入部することになりました。
町歩きは、深くて面白いです・・・。
みなさん、試験期間中でお忙しい中、本当にありがとうございました!!
☆東京大学地文研究会 地理部のみなさん
「歩いて街の魅力を再発見」
稲益啓志郎さん(部長・中央)
とても緊張しました。なんとか無事放送を終えることができ、ほっとしました。
地理部はあまり目立つサークルではないのですが、
多くの方に地理部の良さを知って頂く機会になっていれば幸いです。
塚本恒さん(会計・右)
あまり目立つ方のサークルではない地理部が取り上げられるのはこちらとしても
びっくりしたのですが、皆様に地理部の活動に興味を持って頂けたら幸いです。
東昂太郎さん(広報・左)
今回の番組に地理部が取り上げられると聞いた時は、とても驚きました。
単に町を歩くだけではなく、多くのことが学べることを伝えられたかな、と思っています。
投稿者:番組スタッフ | 投稿時間:17:00