“女優王国”を目指すSMA――平均13.7歳の劇団を旗揚げ
nikkei TRENDYnet 3月27日(火)10時45分配信
|
AKB48をはじめとするアイドルグループのブームが続くなか、今度は平均年齢13.7歳という女性だけの劇団が旗揚げする。大手芸能プロダクションのソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)が手がける、新人女優14人の「劇団ハーベスト」がそ... |
【詳細画像または表】
SMAはソニー・ミュージックグループのマネジメント会社。奥田民生、YUKI、木村カエラ、西野カナら音楽アーティストを中心に、渡辺満里奈や元アイドリング!! ! のフォンチーらのタレント、響やAMEMIYAといった芸人など、非音楽系の人材も抱える。
さらにここ数年は、有望な若手女優を数多く輩出。09年にNHKの朝ドラ『ウェルかめ』で主演を務めた倉科カナは、昨年『名前をなくした女神』などのドラマでクセのある役を演じ、新境地を開拓。10年に映画『告白』で注目された橋本愛は、2月末時点で年内公開の映画が既に3作待機する。昨年、『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で映画初主演を果たした二階堂ふみは、園子温監督の『ヒミズ』でヒロインを演じ、ベネチア国際映画祭の最優秀新人賞を受賞した。
メンバーの所属はあえて別
同社で新人の発掘・育成を手掛けるアーティスト開発部の島田文夫部長は、「注目の女優が増えたことで新作の制作情報が幅広く集まるなど、次の世代を育てやすい環境が整ってきている。この追い風を生かしてさらに若手女優に力を入れようと考えた」と言う。
そこで昨夏、女優志望者を対象としたオーディション「アクトレース」を開催。同社はこれまでも、ジャンルを限定せず、ミュージシャン、俳優、モデルなどの希望者を広く募集する新人オーディションを実施してきた。だが、倉科らの活躍ぶりが広まった効果もあり、「『アクトレース』には例年の2倍、1万人以上の応募があった」(島田氏)。その中から最終選考を通過した12〜17歳のメンバーで、観客を前に演技の経験を積ませるため結成されたのが、前述の劇団ハーベストというわけだ。
3月30日から全5ステージの旗揚げ公演を開催し、以後は学校が休みとなる夏や冬の時期に、公演を組む。劇団の活動は当面舞台に限定し、CDリリースなどの予定はないという。常設劇場を持つAKB48はもちろん、吉高由里子らが所属するアミューズの「さくら学院」、堀北真希らが所属するスウィートパワーの「bump.y」のような若手女優が参加する音楽ユニットと比べても、劇団ハーベストが集団で活動する期間は短い。これは「劇団そのものの人気を上げるのではなく、あくまでも個人としてドラマや映画で主演を務められる女優を生むことが目的」(島田氏)だからだ。
このため、公演以外の時期も常にメンバー同士を競わせて、個々の力を磨く環境作りを狙う。SMAには第一〜第五までのマネジメント本部や、徳光和夫らが所属するバラエティ制作部、桃井かおりらベテラン俳優が属するアクターズ制作部などの部署がある。このうち、劇団としての運営はアーティスト開発部が担当するが、個々のメンバーのマネジメントは「やりたい」と手を挙げた部署が個別に手がける仕組みだ。さらに、14名の中から選んだ女優をヒロイン役とした地上波ドラマを、年内に制作・放送する予定もある。
旗揚げ公演のチケットは2月上旬に早くも完売となり、まずは好調なスタートを切った劇団ハーベスト。女優シーンが新旧交代期にあるなか、劇団による女優育成の試みから、どんな新しい才能が生まれるのだろうか。
(文/高倉 文紀)
【関連記事】
森田芳光監督遺作は劇場をクスクス笑いに包む“鉄”ドラマ!
真実の声に世界が反応! ベルリン国際映画祭で見えた日本映画の今
人気番組「やりすぎコージー」が都市伝説スペシャルになって復活
メリル・ストリープのアカデミー受賞に納得!鉄の女の“涙”
12歳の天才ピアニスト! 史上最年少デビューの少年は?
最終更新:3月27日(火)10時45分