特別企画:シャイニングフォースの軌跡
当時、超大容量だった12MROMカートリッジを採用した大作。圧縮しなければ40M近い容量が必要だと言われていただけあって、アニメーションの凄さは皆の度肝を抜いた…らしい。そのアニメーション自体は今となっては、な感はあるが、玉木氏の絵とアニメーションの使い方が非常に良いため、今プレイしても戦闘画面は十分に見栄えがする。
お値段に対する満足度っていう点で言えば5をつけてもいいソフトなのだが、私のレビューで5を取るには更にもう一押し必要なのである。タクティカルRPGと名前がついているが、世間一般にはメガドラの“ファイアーエムブレム”ということになってしまっているようだ。しかし実際にはRPGを指向して作られたゲームのようで、ファイアーエムブレムとの細かな差異はその思想から来るものだと思われる(お金を払えば生き返る、戦闘・成長システムが単純明快など)。この作品は音楽を賞賛する人が多いのだが、私は好きにはなれなかった。音が全般的にチープな感じがして。
システムは前作(シャイニング&ザダクネス)とは打って変わって戦略性の高いものとなっている。よくファイアーエムブレムと比較されて戦略性がない、といわれることがあるがそれは大きな間違いだ。そういう方は、ぜひリターンなしでプレイしてもらいたい。この作品がいかに戦略を必要とするのかがわかることだろう。死人なしで進めようとすると難易度は更に増す。
しかし、一番の特徴は戦闘画面の斬新さであろうと思われる。開発者はこの画面を一番作りたかったのだろう。気迫の篭った戦闘画面が、この作品のグレードを非常に高めているのだ。知らない人は一度は実際に動いているところを見てもらいたいものである。3D全盛の御時世なので、かえって新鮮で良いかも。
後戻り不可能のマップクリア型シミュレーションRPG。戦闘→街での買い物&情報収集→戦闘といった感じでプレイは進む。アーリエルをパワーアップしたものだと考えてもらえば良いであろう。街では宝物や仲間が手に入るため、ここでの作業もそこそこ重要となる。
1対1の戦闘システムはいわゆるドラクエタイプで、簡素化されている。ただし、そのために地形効果と移動距離が非常に重要になってきて、移動と味方の配置に神経を使わないと死人がたくさん出ることになる。そして、出撃ユニットの選抜も当然ながら重要である。平地の多いマップでは騎士をメインに、森が多ければ獣人やエルフを、山なら戦士やスチームナイト、鳥人を、と使い分けよう。十分育っていないキャラクターでも、足の遅いキャラクターよりは役に立ってくれる。
戦闘マップのクリアは普通にプレイしていれば激烈な難易度をほこるが、死んだキャラの生返りが簡単に行えたり(マップクリア後)、経験値かせぎが行えるという理由から、クリア自体はそれほど難しくない。死人覚悟で特攻が可能なシステムだと、やはり難易度が多少下がる。
今となっては感想はあまりない。続編が2、CDと二作出ているが、どちらと比べても劣るとは思わない。このシリーズは基本は皆同じであり、進化していないという人もいる。ただ1作目は非常にバランスの取れた作品であることは間違いない。1回のプレイではそれほど時間は取らないし、レベルアップスピード、転職の有利不利、敵の、特にラスト付近の敵の強さなどそれほどストレスを感じる場所がない。だから何度でもプレイしようという気になってくる。
何度もプレイできる一番の功労者は、実はアイテム無限増殖技だともいわれる。これを駆使して、最強ヨーグルトだって作ることが出来るのだ。それから、色んなところに隠しアイテムが落ちている。探してみてもらいたい。