違法な布教で入信させられ、献金や奉仕を強いられたとして、北海道と愛知、鹿児島両県の元信者ら63人が、世界基督教統一神霊協会(統一教会)に約6億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、札幌地裁であった。橋詰均裁判長は「信者が原告らに行った布教活動は社会常識から著しく逸脱し違法」として、統一教会に約2億7800万円の支払いを命じた。
判決によると、原告らは86~04年、統一教会と知らされずに勧誘され入信。その後、献金や数珠などの購入、合同結婚式で見知らぬ相手との結婚などを強要された。
判決後、原告側代理人の郷路(ごうろ)征記弁護士は「勧誘時に団体名を名乗らなかったり、不信心を理由に献金を迫るといった宗教団体の違法活動の基準を示しており、画期的な判決だ。統一教会だけでなく、他の宗教団体の活動にも適用できる」と語った。統一教会広報局は「判決の認定内容は事実に反しており遺憾だ。判決文を精査し今後の対応を決めたい」とのコメントを出した。【坂井友子】
毎日新聞 2012年3月29日 20時00分
「メディア・プロダクション・スタディーズ」の研究を始めた五嶋正治准教授に聞く。