札幌中央署は2日、札幌市中央区北4東1の診療所「ごう在宅クリニック」で、鎮痛用の劇薬32本と、患者約600人分の電子カルテなどがなくなったと発表した。劇薬は5人分の致死量といい、同署は窃盗事件とみて捜査を始めた。
同署によると、なくなった劇薬は「フェンタニル注射液」17本(1本10ミリリットル)、「モルヒネ塩酸塩」15本(同1ミリリットルと5ミリリットル)。いずれも鎮痛剤に利用される医療用の麻薬。
2日午前8時過ぎ、看護師が出勤したところ、▽薬品庫にあった劇薬入りの耐火金庫▽事務室の現金約60万円入りの手提げ金庫▽別室の電子カルテが入ったPC2台がなくなっていたという。
同署によると、現場は31階建て高層ビルの29階。同クリニックの玄関は施錠されており、壊された跡はなかった。室内もほかに荒らされた形跡はなかったという。
同クリニックは在宅医療専門の診療所で患者の出入りはなく、3月30日午後7時に勤務員が退出してから誰も出勤していなかった。同署は30日夜~2日朝に何者かが侵入したとみている。【伊藤直孝】
毎日新聞 2012年4月2日 22時46分(最終更新 4月2日 23時11分)
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