野田政権は2日、定期点検で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる政治判断を先送りする方針を固めた。福井県に隣接する京都府や滋賀県などの反発が強く、慎重に見極める。政権がめざす4月中の再稼働も厳しい情勢になった。
■枝野経産相、反対を明言
野田佳彦首相は3日夕、枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚と大飯原発の再稼働について協議。安全性の確認をするが、結論は見送る見通し。当初はこの段階で再稼働可能と判断し、地元を説得する方針だった。
枝野経産相は2日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首の質問に「地元をはじめ国民の一定の理解が得られなければ再稼働はしない」と答えたうえで、「現時点では私もいま再稼働に反対だ」と明言した。
理解を求める「地元」の範囲は、「日本全国に福島(第一原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では『日本全国』が地元だ」と指摘。大飯原発から30キロ圏内に一部が入る京都府や滋賀県の知事が再稼働反対の意向であることを踏まえ、「2人の理解が得られないと地元の理解は得られたことにならない」と述べた。