「参院の品位をけがす行為だ。退席願いたい」。2日の参院予算委員会で、石井一委員長(民主)が「ヤジ」を飛ばした枝野幸男経済産業相に一時、退席を命じる異例の場面があった。
自民党委員によると、枝野氏は岩城光英氏(自民)の質問に答えた際、岩城氏に「野田佳彦首相に聞いている。経産相は呼んでいない」と言われたのに反応。閣僚席に戻った後「それなら帰ってよいのか」と発言したという。これに自民党議員が反発して一斉に退席。予算委は約20分間中断し石井氏の枝野氏への退席命令で再開した。枝野氏は自民党議員が質問した約2時間、席を外した。
この日は東日本大震災復興や原発対応をテーマにした集中審議。与野党は参院予算委理事会で枝野氏を首相らと共に開会中は常に着席を求められる「指定大臣」にするとも合意していた。民主、自民両党が演じた「売り言葉に買い言葉」の退席劇は、後味の悪さも残した。【坂口裕彦】
毎日新聞 2012年4月3日 東京朝刊
「メディア・プロダクション・スタディーズ」の研究を始めた五嶋正治准教授に聞く。