2012年2月4日 10時25分 更新:2月4日 11時22分
4日は立春。この日の最低気温は名古屋市で氷点下3.1度を記録するなど、東海地方は連日厳しい寒さが続く。春とはほど遠い気候の中で、名古屋市中区三の丸の桜の木が、6分咲き程度まで開花した。専門家は「断定はできないが、ソメイヨシノに似ている」と話し、季節外れの開花に驚いている。
現場は、官公庁や公務員住宅が建ち並ぶ官庁街の一角。隣り合う2本の木が、いずれもうっすらピンクに染まっている。東山植物園(名古屋市千種区)の下総勝義緑地造園係長は「桜は自然交雑しやすく、品種を断定できない」とした上で「一重の花びらやサイズなど、ソメイヨシノに見える」と話す。
桜は300~400品種あるとされ、名古屋地方気象台が観測の対象とするソメイヨシノの開花は、平年値で3月26日。90年以降の記録では、最も早い開花で3月17日となっている。
下総係長は「早咲きの桜でも、この地方での一般的な開花は2月下旬ごろから。6分咲きという咲き方も含め、開花理由は見当がつかない」と春の珍事に首をひねっている。【安達一正】