31日、江蘇省無錫市の公園で、植樹された桜の花を見上げる日中の関係者ら=今村太郎撮影
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【無錫(中国江蘇省)=今村太郎】中国江蘇省無錫市の公園で、日本の民間団体と地元政府機関が続けている桜の植樹が、25年目を迎えた。春には約3万本が咲き誇る、中国最大の花見の名所となった。友好の桜がほころび始めた現地で31日、記念式典が開かれた。
一九八八年に設立された「日中共同建設桜友誼林保存協会」(事務局・三重県鈴鹿市)が毎年、募金で苗木を購入し、植樹に訪れている。当初は元軍人が「歴史を乗り越え、友情を育めるよう」と始めた。
景勝地、太湖のほとりにある鼈頭渚(げんとうしょ)公園に、同協会が植樹した桜は一万本。賛同した地元政府機関も二万本を植樹し、日ごろの苗木の世話は地元の人たちが担っている。日中の交流事業は、時々の情勢の影響を受けやすいが、植樹は二十五年間で一度も中止が検討されたことはない。記念式典で、新発田豊会長(60)=埼玉県毛呂山町=は「日中が手を携え、未来に受け継いでいくことを願っている」とあいさつした。
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