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国際
政権に批判的な市民を組織的に「監視」 韓国、総選挙直前に疑惑浮上
2012.3.31 23:40
[韓国]
【ソウル=加藤達也】韓国政府機関の国務総理室が、反政権的な国民や盧武鉉前政権下で就任した政府系企業の幹部らの素行を盗聴や尾行などで組織的に監視・調査していた疑惑が浮上、11日の総選挙の投票を前に左派・革新系の民主統合党など野党側は追及姿勢を強めている。
疑惑の発端は韓国放送公社(KBS)の労組などが入手した約2600件に及ぶ監視報告書。報告書は、2008~10年に国務総理室が作成し、10年7月に検察が押収していたが公にされなかった。
監視対象はメディア幹部や経営者、政治家、労組関係者らで、警察幹部も含まれていた。李明博政権に批判的な言動が目立つ国民の銀行口座利用状況や通話内容など、私生活に踏み込んで調査していた。
韓国メディアによると監視対象は数千人にのぼり、国務総理室は調査で把握した言動を理由に職員を退職に追いこんだり、逆に忠誠心を引き出して昇進させたりしていたという。
調査に当たっていたのは日本の内閣府に似た行政機関、国務総理室の「服務機構管理チーム」。本来は公務員の綱紀維持のため、汚職や癒着、怠勤行為などを監察する部署で、大統領の執務を補佐する青瓦台とは指揮命令系統が別。
青瓦台(大統領府)は31日、「報告書の8割は盧前政権が行った監視に関するもので前政権に責任がある」と反論したが、報告書には青瓦台の隠語とみられる「BH(ブルーハウス)」が命令したことをうかがわせる記載もあり、今後、李明博政権を直撃する可能性もある。
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