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福島 原乳の自主検査に悩みも
4月2日 19時19分

福島 原乳の自主検査に悩みも
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牛乳などの食品に含まれる放射性セシウムの基準が大幅に厳しくなるなかで、福島県内の酪農業界では原乳の自主検査を始めています。
一方、県内で乳牛を育てている酪農家は、放射性物質の心配が少ない割高な輸入の牧草を使わざるをえない事態に直面しています。

“徹底した放射性物質管理を”

原乳の検査は、福島県が県内の乳業工場など10の施設を対象に、週に1回実施してきましたが、牛乳など食品に含まれる放射性セシウムの基準が厳しくなる中で、福島県内の酪農家で作る組合が、県が行う検査に加えて、独自に自主検査を始めました。
郡山市にある検査施設には、一日当たり15ほどの検体が持ち込まれ、県よりも細かく、毎日検査を実施します。
また、1つの検体ごとにおよそ30分かけることで、牛乳の新たな基準値の1キログラム当たり50ベクレルの10分の1以下まで、詳しく測ることができるということです。
測定を始めてから1か月がたちましたが、これまでに放射性物質が検出されたことはないということです。
検査を担当する福島県酪農業協同組合の佐藤幸光業務課長は、「与える餌のほかに、原乳の出荷にあたっても徹底した放射性物質管理を行っているので、消費者は取り組みを理解して、安心して福島県の牛乳を飲んでほしい」と話しています。

酪農家は餌に頭を悩ませる

食品に含まれる放射性セシウムの基準が大幅に厳しくなったのに伴い、福島県内で乳牛を育てる酪農家は放射性物質の心配が少ない割高な輸入の牧草を使わざるをえない事態に直面しています。
福島県磐梯町の酪農家、中川浩さん(51)は25頭の牛を飼い、毎日およそ550キロの原乳を出荷しています。
中川さんが頭を悩ませているのが餌の問題です。
加入する組合が、放射性物質対策として地元の牧草の使用自粛を決めたため、去年12月から値段が2倍以上の輸入牧草を使わざるをえなくなりました。
中川さんは、「輸入した餌なので安全だが、赤字でも与えなければならず大変です。原発事故の影響はいまだに大きい」と話しています。

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