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食品の放射性物質 新基準で検査
4月2日 11時56分

食品の放射性物質 新基準で検査
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食品に含まれる放射性セシウムの基準が、これまでの5分の1の1キログラム当たり100ベクレルなどと大幅に厳しくなりました。
週明けの2日、各地で、出荷前の魚や肉などの検査が強化されています。

新たな基準とは

新たな基準値は、▽野菜や米などの「一般食品」は1キログラム当たり100ベクレル、▽大人よりも放射線の影響を受けやすいとされる子ども向けの区分が新たに設けられ、粉ミルクや離乳食などの「乳児用食品」と「牛乳」は50ベクレル、▽摂取量が多い「飲料水」は10ベクレルとなっています。

被災地では

宮城県石巻市の魚市場では、新しい測定器を導入し、競りが始まるまでに検査結果が出るよう、これまでより早い午前4時から簡易検査を行うことにしました。
初日の2日、市場の担当者がミズダコとシラウオの身を細かく刻んで測定器に入れて検査しました。
検査は20分ほどかかり、ミズダコ、シラウオともに測定器で計ることができる限界値の1キログラム当たり20ベクレルを下回って安全が確認されました。
石巻魚市場の須能邦雄社長が、買い受け人に結果を報告し、「魚市場としても、検査態勢を整えて基準を超える魚が出回らないようにするので、皆さんにも協力をお願いしたい」とあいさつしたあと、競りが行われました。
石巻魚市場では、今後、基準値を超える水産物が出た場合には、競りにかけず、宮城県に依頼して精密検査を行うことにしています。
買い受け人の1人は「新基準で取引先などからの問い合わせも増えて対応が大変です。検査の結果が分かったうえで競りができれば、不安がなくなるので助かります」と話していました。

前倒しで検査開始

大阪府は消費者に安心してもらおうと、9月末まで従来の暫定基準でもよいとされた牛肉などを含めて、新たな基準での検査を始めました。
このうち、大阪・松原市にある食肉衛生検査所では、今までの簡易検査では対応できず、より精度の高い測定機械を借り受けました。
施設には、隣接する食肉市場から牛肉の検体が持ち込まれ、職員が細かく刻んで、100ベクレル以下まで測定できる機械にかけていました。
大阪府は、食肉衛生検査所が管轄するすべての肉牛について検査を実施することにしています。

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