日本人写真家が撮影 放射能で変異した青いフサギンポ (2)
放射性物質は海水によってすでに640キロメートル以上離れた海域にまで運ばれ、今も拡散を続けているという。海水だけでなく、魚やプランクトンからもセシウム137を含む放射性物質が検出されており、震災前の10倍以上、最も高いところでは1000倍という高い数値が検出されている。
また、放射性物質は海底泥の下、深さ20センチまで浸透している。チェルノブイリの事故と同じく、非常に長い年月をかけても、これを取り除く事はできない。
Buesseler氏によると、検出されたセシウム137の値は危害を与えるとされる水準を下回っており、海洋生物の安全を脅かすほどではなく、食用水産物に影響はないという。
しかし、変異を起こした驚くべき生物の写真を見せつけられた後では、この言葉の信憑性は薄いように感じる。緑色に光る魚の卵の写真を見て、食べても大丈夫と言える人など、いるだろうか。
変異が発生した場合、生物種や食物連鎖にもたらされる変化は時と共に収束するものではない。放射線生態学者のウォルト・ウィクラー氏によると、海洋生物の卵と稚魚は放射性物質に敏感であり、被ばくによってDNAになんらかの異常が発生する可能性があるという。