日本人写真家が撮影 放射能で変異した青いフサギンポ
静かな海の中を、青い不思議な魚がひっそりと泳いでいる。体全体を覆う鮮明な青の模様には白い斑点が混じり、所々にピンク色の模様も見える。ひげにも珊瑚のような小さな赤い物体が付着している。黄色く光る目の周りには、赤と黒の縞模様がくっきりと見える。これは新種の魚ではなく、SF映画の特撮でもない。放射能の影響で変異を起こしたフサギンポなのだ。中国青年報が伝えた。
水中写真家の鍵井靖章氏は、東日本大震災の4週間後から今に至るまで、被ばくの危険を冒して何度も被災地付近の海底に潜り、そこで起こりつつある恐ろしい変化を1年間にわたり撮影してきた。
3月18日に行われた広東省カメラマン協会潜水委員会の設立イベントに出席した鍵井氏は、これらの貴重な写真を展示した。被災地付近の海底で暮らす変異生物の写真が、会場でどのような反応を引き起こしたかは知る由も無いが、その後ネットに掲載されると話題騒然となった。
福島第一原発の事故後の海洋モニタリングを担当している米マサチューセッツ州ウッズホール海洋研究所の研究員Ken Buesseler研究員は今年2月21日、「昨年6月以降、福島原発からの放射性物質拡散をモニタリングしているが、事故から1年近く経った今でも、放射性物質の漏えいが広がっている。原発から30-640キロメートル圏の太平洋海域では、放射性物質セシウム137の測定値が正常値の10-1000倍に達している」と述べた。