米国はいかにして日本を操っていたのか、その一端をニューヨーク市立大学教授、霍見芳浩氏の著書『アメリカ殺しの超発想』から見てゆく。
氏によれば日本を操るアメリカの秘密兵器は「小沢レバー」であった。レーガン、ブッシュ、クリントンは、小沢一郎を利用して市場開放、湾岸戦争への拠出金、米国からの武器調達等の要求を次々に日本に呑ませ、小沢はその見返りにリベートや利権を手にしてきた。
氏は、この「小沢レバー」を詳細にわたって暴露している。筆者によれば、米国はアメとムチの両方を使って小沢を操ってきたという。アメは在日米軍関係のリベートや、日本の特定市場開放に伴う日本の関係企業からの献金だった。もちろんこうしたリベートはただで与えられるはずはない。そこには恐喝というムチも利用されてきた。例えば小沢、池田、ノリエガの三角関係である。以下、同書からの抜粋である。
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94年5月以来、ワシントンを起点にしてアメリカの各所に配られた「オザワ批判リポート」はもう1つ重大なことに触れている。まず、小沢氏が唱える「普通の国日本」は、その実態は日本戦略研究センターの「指針」でも明らかなように、日本の昔来た道、つまり、アジアでの軍事大国化と帝国主義的海外膨張を狙うものだとリポートでは的確に指摘している。実際に、アジア・太平洋諸国が「小沢ヒットラー」の出現かと、警戒し始めてもいる。そうした事情を背景に、小沢レバーがこれまで便利だったとはいえ、アメリカとしてこんな小沢氏の勢力拡大に力を貸していると、先々で大変な目に遭うよ、と問題のリポートが指摘したことは、すでにお話ししたとおりである。
そして次に、これに関連して同リポートは、小沢氏が創価学会名誉会長で偽本尊を作ったりしてとか会員の中でも批判のある池田大作氏と連携して、池田大作氏の野望である政教一致による日本の支配と、そのためのハク付けとして「ノーベル平和賞」の獲得に、小沢氏が協力している事実も暴露する。池田氏と同盟を結んでいる小沢氏は、アメリカにとってはますます好ましくない人間だとも明言している。実はこのくだりを読んだとき、私もひとつ思い出すことがあった。それは、ブッシュ前大統領が金丸、そして小沢両氏を思うままに操っていたころ、両氏に与えるアメ玉だけでは説明がつかないと思うことがいくつかあったのだ。そこで、CIAに近いアメリカ人が聞かせてくれたのが、小沢氏、池田氏、そしてパナマの独裁者だったノリエガ将軍を結ぶ線だった。
ノリエガ将軍は、ブッシュ氏がCIA長官時代には、その手先となって、キューバのカストロ首相やニカラグアなど中米の革命グループの撹乱に協力した。そして、その代償として、パナマを中継地として、時にはCIAの輸送機も使ってアメリカに南米コロンビア産のコカインを輸出(?)する暴挙を大目に見てもらっていた。このためにブッシュ氏の弱味を握ったとして、ノリエガ将軍は、ブッシュ氏が大統領となったアメリカを、好きなように操れると過信したのだ。
しかし、こんなノリエガを放置しておいたら自分の政治生命が危ないと知って、ブッシュ大統領は89年就任早々に、米軍による電撃的なパナマ侵攻をやって、ノリエガ将軍を「戦犯」として捕え、アメリカのフロリダにさらって来た。そして、同将軍を「アメリカへのコカイン麻薬供給の罪」もつけて秘密裁判にかけて有罪とし特別監獄の奥に閉じ込めてしまった。
このノリエガ将軍が吐かされたものの中に、池田大作氏が創価学界の金をパナマで運用し、ノリエガ将軍の麻薬取引の資金繰りにも使わせていたことと、このあがりから、池田氏は小沢氏へ相当な額を常時渡していたというものがあった。ブッシュ氏はこの自白の証拠書類もがっちりと手に入れて、金丸、そして小沢の両氏を操作するムチとして使っていた。もちろん、アマコスト駐日大使は、このムチを必要に応じて直接使用した中心人物であったということだった。この話は「小沢のパナマコネクション」として、アジア・太平洋諸国の政府の間にも知れ渡っている、と教えてくれたアジアの外交官もいる。知らぬは日本のみということだろうか。
ノリエガ将軍は池田氏に感謝の気持ちを表すため、1986年パナマに「池田パーク」を作り、また池田氏も翌年、そのお返しに富士山の麓に「ノリエガ将軍の石碑」を建立しているという。なぜ日本にはこのような情報が入ってこないのだろうか。
『アメリカ殺しの超発想』では、この「小沢のパナマコネクション」だけではなく、円高不況、モトローラ日本侵略大作戦、北朝鮮問題、コメ不足など、数々の事例を取り上げ、奴隷国家日本を今の今まで支えてきた政治家や官僚の内幕を、極秘の資料とエピソードで、しかも実名入りで解説する。
霍見芳浩(つるみ よしひろ)
ニューヨーク市立大学教授
『日本企業の悲劇』『日本企業繁栄の条件』『世界の心、日本の心』『地球時代を世界と生きる』『日本再活論』『地球時代の「会社の常識」』『脱大不況』など
参考:
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