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'12/4/1

最終バス便見送る廃止式 呉



 呉市は31日、市営バスを運行する市交通局を廃止した。広島県内で唯一残っていた公営バスは、市の財政健全化策の一環で70年余りの歴史に幕を閉じた。バス運行は1日から広島電鉄(広島市中区)が引き継ぐ。

 市内の阿賀南営業所で午後3時半、営業所発の最後の便を見送る廃止式があり、市や広電などから約30人が出席した。小村和年市長は広電移譲後も「呉の公共交通が円滑に運営されることを願う」とあいさつ。広電の椋田昌夫専務は「広電バスが呉のバスだと言われるよう努力する」と応えた。

 交通局は1942年に発足し、バスは市の主要交通機関として発展した。輸送人員はピークの68年度に6400万人を超えたが、車社会の到来などで減少に転じた。経営も厳しく、近年は市一般会計からの補助金繰り入れが常態化。小村市長は2010年に民間移譲を表明した。10年度の輸送人員は約1600万人だった。

【写真説明】阿賀南営業所を出発する最後のバスを見送る廃止式の出席者




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