日本HPがAKB48を起用した「Love PC, Love HP.トレーラー」キャンペーンを展開中だ。よく街中に広告を載せた大型のトラックが走っており、これと似たような広告キャンペーンに見えるだろう。ところがHPがやることは、他とはちょっと違う。同社の子会社である「Autonomy」の技術を使ったAR広告で、スマホやタブレットで広告画像を認識し、静止画広告が動き出すというユニークさが特徴だ。
「Love PC, Love HP.トレーラー」は、AKB48の広告が貼られたトレーラー(牽引車はハマー)で、この中にHPのPCが展示されている(いわゆるショウルーム)。このトレーラーが停車しているところでは一般開放され、PCを実際に試したりできるようになっている。面白いのはこのトレーラーの側面に表示されている広告部分だ。
「Aurasma Lite」(オーラズマ・ライト)というiOSやAndroidに対応した無料ソフトが提供されている。このソフトを起動しカメラでトレーラーの広告を映すと静止画の広告が動き出すようになっている。トレーラーサイドの広告には、AKB48の5名、左から板野友美さん、篠田麻里子さん、前田敦子さん、小嶋陽菜さん、光宗薫さんの画像が並んでいる。
ARでは、それぞれの静止画を個別に認識させることでスマホやタブレットの画面を通して突然彼女たちが動き出すのが面白い。AR(拡張現実)自体は珍しくないが、QRコードなどではなく、実際の画像が動き出すのを目の当たりにする体験はやってみるとなかなか楽しい。
トレーラーの運行スケジュールはHPのサイト http://www.hp.com/jp/lovepc でチェックできるが、4月に発売されるコミック誌の広告もこのAR対応広告になっている。4月5日のビッグコミックオリジナルから、4月25日の週刊少年マガジンまで、7誌に広告が掲載されるので、トレーラーが運行されない地域でもこのAR広告は体験できる。
将来、電子書籍が普及すると雑誌広告がどうなっていくのかの方向性を見せてもらった気がした。もちろん看板屋大きなポスターといった屋外広告はこれからも続くだろう。この屋外広告の活用や、各種広告や情報提供などに、このようなAR技術を使うのは面白そうだ。
Aurasma自体は、ARのプラットフォームだが、2012年秋まではHP行っているキャンペーンと同等の機能が無料で利用できるので、自社広告など何らかのプロモーションに試しに使ってみるのはいかがであろうか。
■日本HP
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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