北陸電力(富山市)は、志賀原発(石川県志賀町)が停止したままの場合、最大需要期となる8月の電力供給力は581万キロワット程度で、昨年3月時点で想定した需要を4・6%程度しか上回らないとの試算を明らかにした。4月から7月にも火力発電所の定期検査が集中するため、電力業界が安定供給の目安としている8%の余裕は確保できないが、節電は要請しない。
3月から7月にかけ、火力4基195万キロワット分の定期検査や設備工事を進める。昨年3月の供給計画でつくった想定需要に基づく試算では、4〜6月の供給力の余裕は3・3〜6・8%。しかし今年は節電意識が浸透し需要が低くなる可能性もあり、節電要請は見送ることにした。8月には保有する火力発電所10基をすべて稼働できるようにし、計440万キロワットの供給力を確保。残りは水力発電で積み増す。この結果、需要予想554万キロワットを4・6%、過去最大だった2010年の573万キロワットは1・4%上回る。 (吉田通夫)